私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
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『サラBLOOD!』創刊に寄せて

6月22日に『サラブレ』誌などを刊行しているエンターブレイン社から、血統ファンに向けた競走馬の血統・配合専門誌『サラBLOOD!』(編:サラブレ編集部)が創刊されました。

http://www.enterbrain.co.jp/product/mook/13335001.html

僭越ながら、エンパイアメーカーの記事は私が担当しております。

この記事がきっかけで、サラブレ編集部様とのお付き合いが始まりましたが、私のニックネームを『G』に変更する契機にもなった記事です。
(Gというのは競馬の重賞の“G”から採ったものです)

サラブレッドの血統や配合、あるいはこのブログの内容に興味のある方々には、是非この本を手にして頂けたらと思います。

ちなみに、メイショウマンボに関する記事も私が担当しております。

最近は、POGの普及やクラブ提供馬への出資(いわゆる一口馬主)を検討する方々の存在により、血統や配合に関する興味が高まっているように感じます。

絶対的な存在であったサンデーサイレンスが逝去し、その直仔がデビューすることがもうない現在、昔よりも様々な種牡馬の産駒が台頭してくるなかで、血統や“配合の妙”に着目する方々が増えてきているのかもしれません。

クラブの懇親パーティーなどに顔を出しても、会員さんたちはその馬の馬体や気性のみならず、血統面も参考にする方々が多い印象を受けます。

なかには『どうしてこの牝馬にこの種牡馬を付けようと思ったんですか?』といった配合に関するご質問を受けることもあります。

特にその繁殖牝馬が元クラブ提供馬ならば、なおさら気になるのでしょう。

そういう方々にも、血統や競馬のプロの方々が執筆・担当するこの専門誌は何かしらのヒントを与えてくれるかもしれません。

一読者からすると、個人的に以前から注目しているスピード遺伝子(ミオスタチン)に関する記事が一番興味深かったです。

読者の皆さんはどの記事に興味を持たれたでしょうか?
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[ 2013年06月27日 04:33 ] カテゴリ:お知らせ | TB(-) | CM(0)

Ruler Of The World(G1英ダービー)

Ruler Of The World

今年の英ダービーは7戦全勝の1番人気で臨んだDawn Approachのパフォーマンスが注目されたが、スタートから終始折り合いを欠き、結局最下位に沈んだ。

スピード遺伝子検査の結果がC/CというDawn Approachが、多くのスタミナが必要とされる英ダービーでどれだけのレースができるかと個人的に注目していたのだが、スピード遺伝子云々の前に12Fのペースに慣れていなかったように映った。

そんな中で優勝したのは、A・オブライエン厩舎のRuler Of The World。これで3戦全勝である。

このダービー制覇後に与えられたレイティングは120だったが、これは2006年度の英ダービー馬Sir Percy(121)を抜いて、英ダービー馬としては今世紀最低の数字らしい。

とはいえ、この数値を与えたハンデキャッパーも『まだ伸びる余地はある』(racingpostより)とのコメントが示すように、まだキャリア3戦でこれからが楽しみの馬。

そして、その血統パターンは非常に優れていると思っている。

今年はOrb、キズナそしてRuler Of The Worldと3頭のダービー馬を調べた(キズナ以外はup中)が、そのなかでも血統パターンだけなら本馬が1番好みの配合をしている。

Ruler Of The Worldの血統で最も特徴的なのは、欧州では特に成功しているSadler's Wells/Kingmamboのニックを用いている点だろう。

Sadlers≒Kingmambo

Sadler's Wells≒Nureyevによる4分の3同血クロスができるほか、Kingmamboの血統内ですでに使われている“息子”と“娘”を経たNative Dancerクロスをさらに強化する組み合わせになる。

エルコンドルパサーの配合で用いられたほか、輸入種牡馬で英ダービー馬のワークフォースの配合にも見られる手法だ。

本馬の血統で次に注目したいのが、Miswaki≒Lassie's Ladyである。

Miswaki≒Lassie's Lady

いずれの血脈もRaise a Native系種牡馬×Buckpasser牝馬の組み合わせを持つ。

特にそれぞれの父であるMr.ProspectorとAlydarは、Raise a Native×Nasrullah系牝馬という点で共通していて、血統的親和性が高い関係にある。

もう一つMiswaki≒Lassie's Ladyで指摘しておきたいのが、Miswakiの2代母Rose BowerとLassie's Ladyの2代母の父Sir Gaylordの関係だ。

いずれもNearco/Prince Roseのニックを持っている血脈である。

こうして見ると、Miswaki≒Lassie's Ladyはかなり相似な血の関係にあるように思える。

私はよくXファクターの観点からも当該馬の血統を調べたりするが、Ruler Of The Worldの血統はXファクター的にも非常に優れていると思う。

原著『Xファクター』によればMiesque、Sweet ToothそしてLassie's Dearはダブルコピーとのこと。

となれば、ハートラインの観点からLove Me Trueもダブルコピー牝馬ということになるので、その息子であるRuler Of The Worldは大きな心臓の因子を母から受け継いだ可能性が高い。

また、Dawn Approachのスピード遺伝子の型がC/Cであったことは既述したが、Ruler Of The WorldのほうはおそらくC/TかT/Tだろう。

というのは、どうやらGalileoはその産駒傾向からT/Tであるようなのだ。

それが確かなら、Galileo産駒はメンデルの遺伝の法則からして、C/TかT/Tしか生まれないことになる。

このあたりは、今後多くの馬たちがスピード遺伝子(ミオスタチン)の検査結果を公表することで、それぞれの種牡馬の遺伝子型を推察することが可能になってくるだろう。

ところで、Ruler Of The WorldのようなLassie's LadyもしくはGay Missileの牝系は、ダブルコピーの牝系なので、過去にキーンランドの繁殖セールなどで頻繁にチェックしてきた。

そのたびに実馬を見て思ったことは『日本に連れてくるにはちょっと硬い造りかな』という点であり、あまり良い印象を受ける牝系ではなかった。(高額の繁殖牝馬なら別なのだろうが…)

例えば、種牡馬Lemon Drop Kidもその体型が母父Seattle Slewに似ている点もあるが、ややゴツめで大柄な馬体であり、Kingmambo系の割りにはダート向きの硬い印象を受けた。

ただ、このRuler Of The Worldに関してはSadler's Wells/KingmamboのようなHyperionの影響が強い血脈が生かされた配合なので、血統面からはこの牝系の割りに柔らかさを感じる。

将来に向けて、その血統パターンに違わぬ成長を見せれば、このあとの愛ダービーを制することもあるだろう。

あるいは、凱旋門賞でも日本馬たちの強敵として注目される存在になっているかもしれない。
[ 2013年06月10日 20:39 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)


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