私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
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エピファネイア(GⅡ神戸新聞杯)

エピファネイア

GⅡ神戸新聞杯は、エピファネイアが1番人気に応えて優勝。

ダービー時とは異なり、2400Mという距離でもよく折り合っていた。本馬にとっての最大の収穫はそこだろう。

その実績・能力から勝って当たり前と見なされいたレースだけに、ここを無事クリアしたことで本番の菊花賞でも1番人気で迎えられそうだ。

さて、そのエピファネイアの血統だが、血統好きな方なら比較的すぐに気づくのがKris S.≒Habitatによる相似な血のクロスではないだろうか。

KrisS=Habitat

両者を比較するために、1つの血統表に押し込めている。

上記血統表を見てわかるように、両者ともTurn-to、PrincequilloそしてOccupyを持つ点で共通している。

Kris S.とHabitatの父Sir Gaylordについては、ともにNearco/Prince Roseのニックを持つ点でも共通しているのだが、これはシンボリクリスエスが持つSeattle Slewと呼応して組み合わせによるクロスを形成している。

Seattle Slew

エピファネイアの場合、母が日米のオークスを制したシーザリオという血統背景が目立つが、先週のGⅡセントライト記念を制したユールシンギングとの関連からすると、シンボリクリスエス×スペシャルウィーク牝馬という組み合わせにこそ注目すべきかもしれない。

「要はシンボリクリスエス×サンデー系というよくある成功パターンじゃないか」と思われる方もいらっしゃるだろう。

ただ、自分はTri Argo(シンボリクリスエスの2代母)≒キャンペンガール(スペシャルウィークの母)による血統的親和性の高さに起因するのではないかと考えている。

Tri Argo

キャンペンガール

2頭の5代表を並べている。

一つの血統表に押し込むと、キャンペンガール内のWar Admiralが見えなくなるので、2つの血統表を使ってみた。

上記2頭の血統表を見比べるとわかるが、それぞれHail ProudlyおよびセントクレスピンというNearco/Hyperionのニックから成る血脈を持つ。

さらに、Tri Argoはその父系がTomm Fool系であり、母方には2本のWar Admiralを持っているが、キャンペンガールのほうもBuckpasserを通じてこれら2つの血脈を有している。

その他にもシンボリクリスエス×スペシャルウィーク牝馬の組み合わせでは、Blue Larkspur系×Teddy系のニックを持つ血脈が豊富に存在するという特徴もある。

すなわち、シンボリクリスエスの血統においてはNothirdchance、Rarelea、Big Eventがこれに該当し、スペシャルウィークに関しては同じくNothirdchanceと、そのほかにBull PageおよびBusinesslikeの血脈がBlue Larkspur/Teddyを持つ。

このように、血統的親和性の高さという点でシンボリクリスエス×スペシャルウィーク牝馬は相性が良いわけだが、実はこの組み合わせはXファクターの観点からも好相性だと推察される。

ただ、これに関しては説明が長くなりそうなので、いずれまたの機会としよう。

ちなみに私は、シンボリクリスエスという種牡馬はそれほど好きなタイプではないのだが、このシンボリクリスエス×スペシャルウィーク牝馬というニックに関しては大変好ましいと思っている。

まあ、単純にスペシャルウィークの肌馬が好きなだけかもしれないのだが…。(苦笑)
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[ 2013年09月23日 18:06 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

デニムアンドルビー(GⅡローズS)

デニムアンドルビー

今年のGⅡローズSは重馬場のなか開催されたが、優勝したのは1番人気のデニムアンドルビー。

スタートの出遅れとあの馬場状態から「勝つまでは行かないかな」などと見ていたが、なんとあの伸び脚である。

ディープインパクトの牝駒ということで、決して馬格に恵まれているわけではない。

それでもあの馬場で差し切ってしまうのだから、その競争能力の高さは疑いようがない。

母ベネンシアドールは名牝トゥザヴィクトリーの半妹にあたるが、この兄弟で唯一父にキングカメハメハを持つ馬でもある。

残念ながら不出走で終わっているベネンシアドールだが、彼女の持つNureyev4×2には注目すべきだろう。

なぜなら、フェアリードールの父にあたるNureyevはハートライン上に位置するもので、すなわちこの4×2は自分が配合手法として有効と見なしている「ハートライン上のクロス」ということになる。

不出走でもこういう血統背景を持つ繁殖牝馬は、しばしば優秀な繁殖成績を残す。

ただ、生産者側の心理としては、少なくとも1勝はしていてほしいというのが本音である。

というのも、1勝していれば「この牝馬はとりあえず競馬に使える馬体と気性をしているのだな」と見なすことが可能だ。

私も繁殖セールに参加するときなどは、血統はもちろん馬体も気にしながらセリに臨むが、やはり競る馬は勝ち馬であってほしいという気持ちはある。

さて、話しが脱線してしまったが、ベネンシアドールの血統では彼女の3代母Likely Exchangeの血統にも注目しておいたほうが良いだろう。

Likely Exchange

ベネンシアドールが2本有するNureyevの血統はHyperion4×4が特徴的であるが、上記血統表を参照してわかるように、Likely ExchangeもHyperionを5代内に4本持っている。

このように、全体的にHyperionのラインが強いのがベネンシアドールの血統的特徴だ。

一方、デニムの父ディープインパクトもHyperionの強い血脈を持っている。

すなわち、Mountain Flower(サンデーサイレンスの2代母)とHighlight(ディープインパクトの4代母)がそれである。

Mountain Flower

Highlight

いずれもHyperionのインブリードを持つ血脈である。

こういう血統背景を持つディープインパクトに、ベネンシアドールのようなHyperioの強い繁殖牝馬を配合する手法は、競争能力を強化する上で大変好ましいように思える。

加えて、デニムアンドルビーの血統にはAlzao≒ラストタイクーンによる相似な血のクロスの存在する。

    Northern Dancer
  
Alzao
    Sir Gaylord(Nearco/Prince Roseのニックを持つ)
  
  

         Northern Dancer
       
ラストタイクーン
       Mill Reef(Nearco/Prince Roseのニックを持つ)
       

5代表では表せないために、上記のような図解にしてみた。

その血統的親和性の高さが窺えると思う。

ここまで調べて感じたことだが、Alzaoの血の用い方やHyperionのラインの強化という配合手法は、同父のキズナと同じである。

キズナに関してはこのブログで考察したことはないが、『サラブレ』8月号に寄稿しているので、興味のある方はご参照願いたい。

デニムアンドルビーのようなHyperionが強い血統馬は直線の長いコースが得意なはずだが、東京のGⅡフローラSでの勝利やGⅠオークス3着という成績は、その表れかもしれない。

阪神外回りというのも、この馬にはプラスだったのだろう。

今度は本番の秋華賞。京都内回りのコース形態でどういう競馬をするか。

現時点の競馬内容からは、クリアしなければならない課題もありそうだ。
[ 2013年09月20日 20:45 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

『サラブレ』10月号に寄稿

9月13日に発売された『サラブレ』10月号に、凱旋門賞血統診断ということで有力馬7頭の血統診断を担当させて頂きました。

興味のある方は、ぜひご購読下さい。

今週末の仏GⅡニエユ賞では、日本ダービー馬キズナが英ダービー馬Ruler Of The Worldを僅差で破り優勝。

キズナについては、『サラブレ』8月号誌上の「名配合百景②」にて本馬の血統パターンを紹介させて頂きました。

また2着に敗れたRuler Of The Worldに関しても、今月号の血統診断の項で良配合馬として評価した一方、当ブログのRuler Of The Worldの項でもその血統パターンを考察しています。

キズナ

Ruler Of The World

その後に開催された仏GⅠヴェイルメイユ賞では、こちらも今月号の血統診断で好評価したTreveが人気通りの強さと瞬発力を見せつけて優勝。

Treve

そして、オルフェーヴルが出走した仏GⅡフォワ賞では、見事1番人気に応えてオルフェーヴルが優勝しましたね。

オルフェーヴル

血統的な側面から考慮しても、この馬が1番凱旋門賞のゴールに近い馬だというのが私の見解です。

ブックメーカーのウィリアムヒル社によるオッズでも、この優勝をうけて1番人気に設定されました。

他にもNovellistのような強豪もいるなど、今年の凱旋門賞は本当に楽しみです。
[ 2013年09月16日 18:50 ] カテゴリ:お知らせ | TB(-) | CM(0)

レッドリヴェール(GⅢ札幌2歳S)

<レッドリヴェール

今年のGⅢ札幌2歳Sは、極端な不良馬場のなかで開催されたが、小柄な馬体を物ともせずに3コーナーあたりから進出してきた1番人気レッドリヴェールが、最後の直線でも力強く伸びて優勝。

勝ちタイム1:59.7が示す通り、今回は非常に特殊な馬場でのレースであり、この結果が今後の指標としてどのくらい役立つかはわからない。

ただ、レッドリヴェールの血統パターン自体は非常に優れている。

まず血統的長所の一つとして挙げたいのが、息子と娘を経たCosmah4×5のクロスである。

レッドリヴェールはサンデー系×Northern Dancer系牝馬という成功パターンを踏襲しているが、この血統パターンはAlmahmoudクロスの影響が強く出るのが長所だ。

そのAlmahmoudの娘であるCosmahを息子と娘を経た形でクロスさせることにより、より大きな遺伝効果が期待できる配合になっている。

特にCosmah~Almahmoudのラインがレッドリヴェールのボトムライン(牝系)にも存在するという事実は、ミトコンドリア説の観点からも長所だと言えるかもしれない。

さらにレッドリヴェールの血統では、父ステイゴールドの2代母ダイナサッシュと、リヴェールの母ディソサードおよび2代母I'm Out、そして3代母ダンシングフリーの関係にも注目したい。


                  ┏Northern Dancer
        ┏ノーザンテースト(Hyperion4×3)
        
ダイナサッシュ(ステイゴールドの2代母)
        
        ┗ロイヤルサッシュ(Nearco/Prince Roseのニック)


        ┏Northern Dancer
      ┏牡
      Mississippi Mud(Hyperion4×4・5)
      
ディソサード(レッドリヴェールの母)
      
        ┏Sir Gaylord(Nearco/Prince Roseのニック)
       ┏牡
      ┗牝


     ┏Sir Gaylord(Nearco/Prince Roseのニック)
    ┏牡
   
I'm Out(レッドリヴェールの2代母)
   
                ┏Northern Dancer
              ┏牡
    ┗ダンシングフリー(Nearco/Prince Roseのニック)


           ┏Northern Dancer
         ┏牡
               
ダンシングフリー(レッドリヴェールの3代母、Nearco/Prince Roseのニック)


上記4つの血脈はNorthern Dancerの血脈およびNearco/Prince Roseを含む血脈という2点で共通する相似な血の関係にある。

特にダイナサッシュ≒ディソサードの関係においては、ノーザンテーストとMississippi MudというHyperionが強い血脈を持つ点でも共通していて、レッドリヴェールの血統パターンにおける核ともいえる手法である。

私は、ステイゴールドを配合する際に留意すべき点として、Northern DancerとNearco/Prince Roseを持つという点に加えて、Hyperion系の血脈が豊富である繁殖牝馬が候補に相応しいと考えている。

その点、ディソサードという繁殖牝馬は、血統的にこれらの条件をすべてクリアしていて大変好ましい。

ところで、私はサラブレ6月号でPOGピックアップを担当させて頂いたのだが、その推奨馬のなかに入れるのを最後まで迷ったのがこの馬だった。

自分のなかで同じ種牡馬の仔は2頭までにしようと考えていて、結局は日高地方産のステイ産駒を2頭ピックアップしたことからレッドリヴェールを推奨することは見送った。

当時は、所属クラブHPから育成場での調教VTRなどもチェックしたものだ。

ただ、これは個人的意見だが、ある程度血統を勉強している“血統派”と呼ばれる人たちならば、この馬をPOG指名や一口出資の対象にすることはそれほど難しいものではなかっただろう。

この馬の血統はステイ産駒の成功パターンの王道を行っているような配合パターンをしているし、クラブHPを見る限り馬体や動画による映像も水準以上のものだった。

唯一の気がかりは、ステイゴールドの牝駒ということで気性面がどうかと思うこともあるだろうが、すべての馬にそれが当てはまるわけではないし、動画を見てもレッドリヴェールから気性的にマイナスの印象を受けることはなかった。

もちろん、今後の成長次第ではいろいろと課題が出てくるかもしれないが、個人的には芝の中距離路線で今後も注目したい素質馬である。
[ 2013年09月03日 18:57 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)


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