私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
私的血統論 TOP  >  2013年12月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --年--月--日 --:-- ] カテゴリ:スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

ワンアンドオンリー(GⅢラジオNIKKEI杯2歳S)

ワンアンドオンリー

例年クラシック路線に有力馬を送り込むという意味では、クラシックに直結するレースともいえるGⅢラジオNIKKEI杯2歳S。

今年の勝ち馬は、7番人気の伏兵ワンアンドオンリーだった。

父ハーツクライ、母父タイキシャトルということで、もっとパワフルな馬体をしているイメージを持っていたが、パドックを見ると素軽くて歩様の柔らかい、そして程よい伸びのある芝中距離馬といった印象。

成長するにつれて、筋肉量も増えてきそうな体つきだが、その成長途上であれだけ強い勝ち方をした点は大きい。

当然、来年のクラシック戦線でも中心馬の一角を形成するだろう。

このレースでは、その血統背景からサトノアラジン(3着)やモンドシャルナ(6着)が人気になっていたが、こちらは期待するほど大きなインパクトを与えられなかった。

ワンアンドオンリーの父ハーツクライは、今年GI馬ジャスタウェイをはじめ多くの活躍馬を輩出し、大きな躍進を遂げた種牡馬である。

そのハーツクライの血統に関してはジャスタウェイの記事で取り上げたのだが、それを以下に引用しようと思う。

ハーツクライはサンデー×トニービン牝馬の配合であるが、この組み合わせではサンデーの2代母Mountain Flowerが持つHyperion3×4とトニービンが持つHyperion5×3・5による、Hyperion系血脈の強化が一つの特徴だ。

この血統的特徴から察するに直線の長い東京コース向きの馬かと思いきや、GⅠ有馬記念やGⅠドバイシーマクラシックの優勝、そしてGⅠKジョージ6世&QエリザベスSで3着するなど、その競走成績からはパワーと底力にあふれた印象を受ける。

そうなると、Hyperion系以外の血統的特徴があるのではないか。

そして、それはNothirdchance≓My Bupersによる米血脈の組み合わせが大きく作用しているように思える。

Nothirdchance=My Bupers

ハーツクライの血統で4×3でクロスするこの2頭は、Blue LarkspurとMan o'WarそしてSir Gallahadを持つ点で共通している。

特にBlue Larkspur×Man o'Warという限定的な見方ではBlue Swords≓Busandaを形成し、またBlue Larkspur×Sir Gallahadという視点ではNothridchance≓Revokedと見ることも可能だ。

要は、それだけ血統的親和性が高い関係なのだ。

ハーツクライ産駒の活躍馬の特徴として、母側に米血脈を持つタイプが多いことに気付いている方々もいらっしゃるだろう。

例えばハーツクライ産駒の重賞勝ち馬は、ギュスターヴクライを除いて、父ハーツクライが持つNothirdchance≓My BupersのうちBlue Larkspur×Sir Gallahad(Bull Dog)を活かした血統パターンを持っているはずだ。

ギュスターヴクライはNothirdchance≓My Bupersのうち母方Relicの血脈を活かすことで、Blue Larkspur(Black Toney系)×Man o'Warの組み合わせを形成するほか、Hyperion系ラインの強化も図った血統パターンを持つ。

上述の視点から、ワンアンドオンリーの母ヴァーチュの血統を見てみると、その父タイキシャトルの存在が一つポイントになるだろう。

なぜなら、タイキシャトルはHail to Reason3×5のラインブリードを持つが、Hail to Reasonの母はハーツクライの血統で指摘したNothirdchanceだからである。

さらにタイキシャトルの持つNijinsky内Bull Page、そしてヴァーチュの2代母の父Mr.Prospector内Miss Dogwoodの血がNothirdchanceと血統的親和性が高い関係にある。

Bull Page=Miss Dogwood

この2頭はいずれもBull Dog系×Blue Larkspur牝馬の組み合わせを持つが、NothirdchanceもBlue Larkspur系×Sir Gallahad(Bull Dogの全兄)系のニックを有する。

この他にもサンデーサイレンス≓Devil's Bag(父が同じで、いずれもMahmoudクロスを持つ)やLyphard≓Danzig(父が同じで、いずれも母系にFair Trialを持つ)、あるいはCosmic Bomb(Haloの母父)≓Blade of Time(Damascusの2代母)など、ワンアンドオンリーの血統は父母の相性の良さが随所に見られる良配合だ。

その血統から、ハーツ産駒にしてはそれほど長い距離には向かない印象も受けるが、春のクラシックまでは有力候補として注目したい。



さて、今回が今年最後の更新になりそうだ。

今年の牧場成績は極端に悪かったわけでもないが、決して満足できるものでもない、消化不良な1年だった。

ちょうど保有している種牡馬のシンジケート株が古くなってきた時期と重なったためだろうか、正直思ったほど競争成績が上がらなかった感がある。

その分、余勢株などを買いながら血の更新を図ってきたので、来年以降は少しずつ成績も向上してくれることを願っている。

まあ、そう単純ではないことは身に染みて感じているのだが。(苦笑)
スポンサーサイト
[ 2013年12月28日 06:00 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

アジアエクスプレス(GI朝日杯FS)

アジアエクスプレス

GI朝日杯FSは、前走まで圧巻のレース振りでダート2連勝していたアジアエクスプレスが、芝に替わったこの舞台でも中山の急坂を力強く駆け抜けて快勝した。

その父ヘニーヒューズは、来春より新冠の優駿SSにて供用が開始される。

シンジケートが結成されているが、即日満口という人気ぶりで、余勢株も種付料を決定する前から予約が殺到していたと聞き及んでいる。

事実、公示種付料発表とともに即満口扱いになっていた。

同父のヨハネスブルグも初年度産駒となる2歳馬が素晴らしい活躍を見せているが、ヨハネスブルグに関してはサラブレ11月号に寄稿しているので、興味のある方はそちらを参照願いたい。

彼らの父ヘネシーは単年リースで日本に来た種牡馬であったため、その日本適性は判断の難しいところだが、少なくともヘニーとヨハネスにはそれがあったのだろう。

そのヘニーヒューズの血統には、配合を考える際に幾つか強化したい血脈があるのだが、アジアエクスプレスとの関係ではとりあえずTom Cat≓Teo Pepiを指摘しておきたい。

Tom Cat=Teo Pepi

ヘニーヒューズの血統では4×4のポジションに位置するこの2頭は、上記血統表を見てわかる通りTom Fool≓Sherry L.の相似な関係に加えて、Blenheimを持つ点でも共通している。

血統に詳しい方ならば、上記血統表を見てすぐにHaloとの血統的親和性を指摘する人もいるだろう。

私もこのTom Cat≓Teo Pepiをもって、ヘニーヒューズはHaloの血を持つ繁殖牝馬と相性が良いのではないかという考えを持っている。

もちろん、その最たる例はサンデー系牝馬との配合になるだろう。

さて、アジアエクスプレスは父の持つTom Cat≓Teo Pepiによる相似な血のクロスを、母内Cap and Bellsの血を用いることでその影響を継続させる配合になっている。

Cap and Bells

このように、Cap and BellsはTom Cat≓Teo Pepiと血統的親和性が高い関係にあり、これら3本の相似な血はアジアエクスプレスから見ると5・5×5の位置でクロスする。

一方、母Running Bobcatsは31戦9勝でそのうちステークスは5勝と、牝馬としては標準以上の競争成績を収めている。

重賞(G3)も2度挑戦したが、残念ながら着外に終わった。

全9勝の勝ち距離は、5F~7Fと短距離に限定されている。

興味深いのは勝ったステークスの内訳で、芝1勝に対してダートが4勝。

その競争成績からは芝もこなせるダート馬といったイメージで、芝のステークスは2着馬に1/2差しかつけていないが、ダートで勝ったステークスでは2着馬に4馬身以上突き放したのが3回もある。

まるでアジアエクスプレスの競争成績を見ているかのように感じたのは、私だけだろうか。

ちなみにRunning Bobcatsは2歳でステークス勝ちを含む4勝する一方、4歳になってからもステークスを2勝していて、早熟ながら成長力もあった。

息子のアジアエクスプレスもそういう面を持ち合わせているのか、非常に興味深い。

母Running Bobcatsの血統にも少し触れておくと、Portage6×5の牝馬クロスが特徴的だ。

このPortageクロスのうち1本はハートライン上に位置する血脈で、彼女の血統にアクセントを与えている。

また、PortageはMan o'War系×Teddy系の組み合わせを持つが、Running Bobcatsの血統にはPortage以外にもIron Maiden、Raise You、Crafty Admiralがこのニックを持つ。

Portage=Iron Maiden
Raise You=Crafty Admiral

このように、各血脈ともMan o'War系×Teddy系のニックを持っている。

そして、ヘニーヒューズもNothirdchanceやRaise Youを持っているため、アジアエクスプレスの代でもMan o'War系×Teddy系の影響を継続させた。

改めてアジアエクスプレスの血統を考察してみると、やはり米血脈が強い印象を受ける。

今回の朝日杯FSは高い競走能力で勝つことができたものの、基本的には母と同じく「芝もこなせるダート馬」という評価が妥当だろう。

その血統パターンから、マイル前後にもっとも適性がありそうなアジアエクスプレス。

来春はUAEダービーを目指すのか、あるいはNHKマイルCに照準を合わせるのか。

そのあたりの陣営の選択肢にも注目してみたい。
[ 2013年12月16日 18:58 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

バンドワゴン(エリカ賞)

バンドワゴン

先週、阪神JFを勝ったレッドリヴェールは過去にこのブログで扱ったから、今回はナシ。

でも何となく2歳馬を調べたい気分ということで、今回はバンドワゴンを取り上げようと思う。

それにしても、エリカ賞でのバンドワゴンは強かった。

高い能力のためか自然とハナに立つ競馬になったが、ラスト3Fでは最速の上りを見せている。

サンデー系のような切れ味はないものの、絶対能力の高さは十分窺い知れた。

父ホワイトマズルは、派手な種牡馬成績ではないが、種牡馬ランキングも20~30位台をキープして、たまに大物を出してくる玄人好み的な印象のある種牡馬だ。

重賞勝ち馬だけを見ると、ホワイトマズルはサンデー系牝馬と相性が良いようだが、これはダンシングブレーヴがMahmoud5×5を持っていて、サンデーサイレンスもMahmoud4×5を持っている点に起因するのだろうか。

あるいは、やや切れ味に欠けるホワイトマズル産駒にとって、サンデーの系統がもたらす瞬発力や切れ味は能力の補完という意味では理想的な血脈だったのかもしれない。

ホワイトマズル産駒は、トニービンを持つ牝馬とも相性が良いが、これはホワイトマズルの母父Ela-Mana-Mouが持つ血脈がトニービンが持つそれと共通する部分があるからだと思う。

ただ、今回取り上げるバンドワゴンの血統は、上記2つのパターンには当てはまらない。

そこで、ホワイトマズル産駒の第3のパターンとして挙げられるのが、バンドワゴンも属するNearco/Prince Roseのニックを強化するパターンである。

父ホワイトマズルは、自身の血統内にSir Gaylord≓Autocraticという2本のNearco/Prince Roseから成る血脈を持つ。

Sir Gaylord=Autocratic

そこに、バンドワゴンの2代母キャリアコレクションが持つSeattle Slew/Rivermanを加えることで、バンドワゴンはNearco/Prince Roseのニックを強化する血統パターンを持つことになった。

バンドワゴンの母ピラミマの血統で一番特徴的なのは、Lucky Mel≓Star Fortuneによる相似な血のクロスだろう。

Lucky Mel=Star Fortune

このように、OlympiaとMahmoudを持つ点で共通するほか、Royal Charger≓Nasrullahもあり、非常に血統的親和性に富む関係にある。

人それぞれ意見があると思うが、私がUnbridled's Songを持つ馬を考察するときは、うまくLucky Melを生かしているか否かを一つのポイントして見る。

と言っても、Lucky MelはHyperion/NeacoのニックやMahmoudを持つことから、基本的に相手側がNorthern Dancerを持っていれば、ある程度Lucky Melの血脈は生きることになる。

その意味では、ピラミマがNorthern Dancer系のホワイトマズルと配合されたのは正解だったのだろう。

明らかに中長距離向きの血統であり、来年のクラシック路線では距離が延びれば伸びるほど、この馬にとって有利に働く気がする。

こういう馬を見ると、Unbridled's Songの繁殖牝馬が欲しいなぁと感じてしまう。

以前、今は亡きUndridled's Songを米国で見たときに「この馬は日本適性がありそうな馬体だな」と思ったあの感覚を、バンドワゴンを調べていたらつい思い出してしまった。
[ 2013年12月12日 21:14 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

アクティビューティ(交GⅢクイーン賞)

アクティビューティ

昨日開催された交流GⅢクイーン賞は、1番人気のアクティビューティが先行抜け出しという人気通りのパフォーマンスを見せて快勝。

34戦目にして、自身初となる重賞タイトルを手にした。

父のバゴについては、このブログで初めて扱う気がする。

バゴの産駒は、父に似て平均して馬格がある。

また、気性面はNashwan系らしく悍性の強いタイプが多く、産駒によってはそれが鋭い末脚という形で表れる馬もいるようだ。

バゴの父Nashwanについては、その競争成績からすると種牡馬成績のほうは少し期待外れの感は否めない。

それより、バゴの場合は牝系に目を向けるべきで、その母Moonlight's BoxはXファクターの観点からはダブルコピーに該当する血脈だ。

バゴはHighlightやNureyevなどHyperionクロスを持つ血脈を持っていたり、母方にはNatalmaとAlmahmoudによるハートライン上のクロスが存在する。

ただ、血統面で一番特徴的なのはRed God≓Haloによる相似な血のクロスだろう。

Red God=Halo

この2つの血脈はNasrullah≓Royal Charger≓Mahmoudというスピード系の近親血脈を持つ点で共通するほか、PharamondやBull Dog(Sir Gallahad)も形成する。

そのため、例えばバゴがサンデー系の繁殖牝馬と配合されると、産駒の持つHaloクロスに加えて、このRed God≓Haloの相似な血のクロスを強化することができる。

菊花賞馬ビッグウィーク(母父サンデーサイレンス)や、今年のGⅢ函館2歳Sを制したクリスマス(母父ステイゴールド)などは好例だろう。

では、アクティビューティの母ファンゴリオボッコはどうかというと、この牝馬はHaloやRed Godを持っていないため、バゴの持つRed God≓Haloは強化できなかった。

代わりに、アクティビューティの代では2つの特徴的な相似な血のクロスを形成している。

その一つがCoup de Folie≓ワッスルタッチである。

Coup de Folie=ワッスルタッチ

上記の血統の比較でもわかるだろう。

両者ともNatalmaとCosmahという、2頭のAlmahmoudの娘を有している。

特に重要なのは、アクティビューティの血統においてCosmah6×4はいずれのラインもハートライン上に存在し、Natalma6×4も1本ハートライン上に存在するという血統パターンにある。

このようなハートライン上のクロスを持つ馬は、しばしば競走馬として高い能力を有していることがあり、また繁殖牝馬になってからその影響を産駒に伝える馬もいる。

最近の活躍馬の例では、凱旋門賞馬Treveの母Treviseが自身のハートライン上にRiverman4×2を持つ。

アクティビューティに話しを戻せば、このCoup de Folie≓ワッスルタッチに関しては、Ribotのラインを持つ点も共通していることも指摘しておきたい。

そして、もう一つアクティビューティの血統で特徴的なのが、Thong≓ゼダーンによる組み合わせのクロスだ。

Thong=ゼダーン

いずれもNasrullah系×Gold Bridge系から成る血脈である。

有名なところでは、種牡馬ジャングルポケットがこの組み合わせクロスを持つ。

アクティビューティは、オーナーブリーディングホースであるようなので、いずれは生まれ故郷で繁殖牝馬になるものと想像する。

こういう繁殖牝馬を持つと、能力が高そうな上に様々な系統との配合が可能なので、生産牧場の人間としては本当に羨ましい。

Xファクター的にも優秀な産駒を輩出できそうな血統をしているので、競走馬としてはもちろん繁殖牝馬としても注目している。
[ 2013年12月05日 21:34 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。