私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
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ケイアイエレガント(GⅢ福島牝馬S)

ケイアイエレガント

GⅢ福島牝馬Sは、5番人気のケイアイエレガントが見事に逃げ切り勝ちを収めた。

昨年勝った1000万条件戦のあと、4か月ほど休ませた今年緒戦の準OPで快勝。

その後、GⅢ中山牝馬Sで2着して今回の初重賞制覇となった。

どのような理由で休んでいたかは知らないが、結果的にこの4か月の休養が奏功したのだろう。

父のキングカメハメハに関しては、過去にホッコータルマエやタガノグランパの記事で扱っているので、ここでは割愛する。

ケイアイエレガントの母ポストパレードは、コンスタントに勝ち馬を産んできた馬主孝行の繁殖牝馬だ。

確か、この繁殖牝馬はマル外の産駒サクセスドマーニが日本で勝ち馬になってから、日本に輸入されてきたはず。

キーンランド繁殖牝馬セールのカタログで、そういうブラックタイプのページを見た記憶がある。

彼女の3代母は英2歳牝馬チャンピオンBitty Girlだ。

Bitty Girl

Bitty Girlはホットスパークの全姉だが、この姉弟はいずれも5Fあたりを得意としていたスプリンターである。

おそらくそのミオスタチンはC:C型なのだろうが、それぞれのCアレルはHabitatとPrincely Giftに由来するものだろう。

また、Bitty Girlの持つRoyal Charger≓Nasrullahの4分の3同血クロスも、彼女の短距離スピードに影響を与えているかもしれない。

そして、Bitty Girlの母Garvey GrlはXライン上にBlue Peterクロスを持つ。

英2冠馬のBlue Peterは、そのXライン上にSt.Simonクロスを持っているが、彼の競走能力はこれに起因するものだろうか。

いずれにせよ、このような血統背景を持つBitty Girlは基礎牝馬としてその枝葉を拡げていった。

特に優秀なのが、ケイアイエレガントも属するSpanish Paradeの牝系であり、この系統からはケイアイエレガント以外にも米GI馬でアイルハヴアナザーのライバルだったBodemeisterなどが出ている。

Spanish Paradeの牝系が優秀なのは、Bitty Girlの牝系にNijinskyやRobertoといった牝系を強化できる血脈が加わったからだろう。

これらの種牡馬は、Xファクターの観点からは優秀なXを牝駒に伝えるとされる血脈であり、ポストパレードの場合は父A.P.Indyも牝系を強化できる血脈ということから、おそらく彼女はダブルコピー牝馬である。

もし、母ポストパレードがダブルコピーであるなら、父キングカメハメハのほうはどうなのだという話しになる。

私の推測では、キングカメハメハもまた牝系を強化できる優秀なXの持ち主だと思う。

牝馬でもアパパネをはじめ活躍馬を輩出しているし、また母父としても少ない産駒からデニムアンドルビーのような馬が出ているという状況だ。

ちなみに、私見だがキングカメハメハの母マンファスはシングルコピーではないかと考えていて、キンカメ自身は母父ラストタイクーンのX(その由来はおそらくMill Reef)を受け継いでいるのではないかと推測する。

そして、私の推測通りなら、ケイアイエレガントは父母それぞれから優秀なXを受けついだダブルコピー牝馬ということになる。

ところで、A.P.Indyの血は馬産地ではそれほど高く評価はされてこなかった。

A.P.Indy産駒を多く見てきた人ならおわかりだろうが、彼らの馬体的特徴はお世辞にも日本向きとは言えない。

力強く程よい伸びのある馬体ではあるもの、そのシルエットは切れというより丸味を帯びた馬体で先行力を感じさせるものの、瞬発力や切れ味といった日本の芝に合う雰囲気に乏しい。

ただA.P.Indyは、前述したように牝系を強化できる血脈であり、実際には母父としては評価できるのだ。

A.P.Indyの馬体的特徴が出ている繁殖牝馬でも、例えば日本適性が高い種牡馬と配合されることで、トップクラスの競走馬を生産することは可能である。

ハーツクライ産駒のカレンミロティックやダイワメジャー産駒のエクセラントカーヴ、そしてキンカメ産駒の本馬ケイアイエレガントなどはその好例だろう。

血統パターンという点では、キンカメ×A.P.Indy牝馬という組み合わせでは正直ダートタイプかなとも思うが、その前の代にRobertoが入ったことで、かなり芝適性が高まった印象を受ける。

もし、2代母の父Robertoと3代母の父Nijinskyが入れ替わって、Nijinskyのほうが近い世代に入っていたら、おそらくよりダート適性が高まっただろう。

相似クロスもNearco/Prince Roseのニックを活かしたものや、Gold Digger≓Bramaleaなどもあって、なかなかに秀逸な血統パターンを持っているケイアイエレガント。

年齢を考えると、来春あたりは繁殖牝馬に上がっているかもしれないが、非サンデー系という血統は繁殖としても非常に魅力的である。
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[ 2014年04月28日 20:13 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

ハナズゴール(豪GIオールエイジドS)

ハナズゴール

豪国遠征中のハナズゴールが、豪GIオールエジドS(芝1400)に見事優勝した。

(結果・第6Rを参照)http://www.australianturfclub.com.au/races/RaceResults.aspx?meetingId=2367

(VTR)https://www.youtube.com/watch?v=sgcj4I2EoME

スタート直後に出遅れ、その後も終始最後方からの競馬だったが、直線に向いて外に持ち出して、残り350M付近から仕掛けて一気に弾けた。

いかにもサンデー系らしいレース振りだったと思う。

父のオレハマッテルゼにとって初年度産駒になるハナズゴールは、初めてのGI馬でもある。

残念ながら、オレハマッテルゼは2013年秋に腰萎が原因でこの世を去っている。

彼はGI高松宮記念を勝ったサンデー産駒だ。

オレハマッテルゼ

その母カーリーエンジェルは繁殖成績が良く、名牝と言っていいだろう。

自身は未勝利で終わっているが、母としてはオレハマッテルゼ以外にも重賞2勝のエガオヲミセテ(父サンデーサイレンス)、G3カペラS3着のエノク(父クロフネ、7勝)、G3ラジオNIKKEI杯2歳S3着のトゥリオンファーレ(父スペシャルウィーク、4勝)などの活躍馬を送り出した。

上記血統表を見てわかるように、彼女はXライン(ハートライン)上にVictoria Parkのクロスを持っている。

Victoria Parkは加年度代表馬に輝いた名馬であるが、その血統背景からすると正直なところ牝系を強化できる血脈の持ち主とは思えない。

確かに、例えばノーザンテーストや英愛ダービー馬The Minstrelの母父として登場するVictoria Parkは、一見すると母父としては優秀なようにも思える。

ただ、忘れてならないのは、ノーザンテーストの2代母lady AngelaとThe Minstrelの2代母Flaming Pageがいずれもダブルコピー牝馬という血統背景だ。

私としては、ノーザンテーストの母Lady VictoriaとThe Minstrelの母Fleurはいずれもシングルコピーの可能性があり、彼女らの息子たちである上記2頭は、母から優秀なX染色体のほうを受け継いだのではないかと推測する。

仮にVictoria Parkの血がそれほど牝系を強化できないとしても、カーリーエンジェルの持つVictoria Parkのクロスを否定するつもりはない。

Xライン上のクロスは有効な配合手法だと考えているし、できれば牝系を強化できる血脈を用いるほうがベターだが、カーリーエンジェルが優れた繁殖能力を備えていたのは間違いないのである。

もちろん、彼女が名牝ダイナカールの血を引いているのも無関係ではないだろう。

そんな血統背景を持つカーリーエンジェルにサンデーサイレンスが配合されたのだから、当然オレハマッテルゼもレベルの高い競走能力を備えていたと容易に想像できる。

その血統から、オレハマッテルゼはそれなりに優れたXを保有していたと思われ、それを自身の牝駒に伝えたわけだが、その結果としてハナズゴールのような牝馬が生まれたのだろう。

そのハナズゴールの母シャンハイジェルはダ1000で1勝していて、牝系は名牝Quillに遡るものの、父シャンハイという血統背景も含めて、一般的にはそれほど高く評価はされない血統だろう。

ただ、彼女のXラインを調べると、全く違う評価が見えてくる。

例えば、彼女の父シャンハイはヘクタープロテクターやBosra Shamなどを輩出した名牝Korveyaの息子であるが、Korveyaはその血統背景と繁殖成績からダブルコピー牝馬の可能性が高く、その息子シャンハイも優秀なXを受け継いだと考えるべきだ。

さらに、シャンハイジェルの母父Magesterialはあまり有名ではないが、米チャンピオンスプリンターのSmoke Glackenの母父でもある。

この馬も、その血統背景から優秀なXを祖先から受け継いでいるのは間違いないだろう。

シャンハイジェルの4代母Quillもダブルコピー牝馬の可能性が高い血統であり、これらを総合的に考えると、シャンハイジェルは少なくともシングルコピーであり、もしかするとダブルコピーの可能性もある血統の持ち主だと結論付けたい。

このように、一見するとそれほど派手な血統ではなくても、実は繁殖牝馬としての素質に恵まれている血統の持ち主というのは意外に多い。

特に、日高ではそういう繁殖牝馬が多いはずで、そういう馬からはどんどん活躍馬が生まれてほしいと切に願う。

ここまで考察した限りでは、オレハマッテルゼとシャンハイジェルとの間に生まれたハナズゴールは、それがシングルコピーあるいはダブルコピーのどちらであったにしても、優秀なXを受け継いでいる可能性が高いと言える。

では、血統パターンという視点からハナズゴールの血統を見るとどうなるか。

一番目立つのは、What a Pleasure≓ボールドラッドによる4分の3同血クロスである。

What a Pleasure=ボールドラッド

父はいずれもBold Ruler、そしてそれぞれの母が親仔という関係である。

ハナズゴールの血統では、What a Pleasure≓ボールドラッドは5×5でクロスする。

もう少しマクロな視点から見ると、カーリーエンジェル≓Magesterialという見方もできる。

What a Pleasure≓ボールドラッドに加えて、それぞれNorthern Dancerの血脈も受け継いでいるからだ。

このように、ハナズゴールの持つ近親クロスや相似クロス、あるいは彼女の父、母父、2代母の父の競走成績や繁殖成績も考慮すると、やはり彼女の長所は短距離系のスピードと見るべきだろう。

もし、彼女のミオスタチンを検査したらC:C型の可能性がかなり高いのではないだろうか。

最近は、血統を調べているとすぐにミオスタチンのことが頭によぎってしまう。
[ 2014年04月27日 18:07 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)


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