私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
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Kingmanの父Invincible Spiritとベーカバド

先日開催されたGI愛2000ギニーは、前走のGI英2000ギニーで2着に敗れたKingmanが、ここは1番人気に応えて2着に5馬身差をつけての快勝。

https://www.youtube.com/watch?v=xeVcYvHvvTk

この勝利を見る限り、3歳マイル戦線ではトップレベルの実力を持っていると見なせる。

父のInvincible Spiritは、日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、欧州では短距離系種牡馬として人気の高い種牡馬である。

Invincible SpiritにとってKingmanは8世代目の産駒となるが、この種牡馬はKingmanや仏GIモーリス・ド・ゲスト賞3連覇のMoonlight Cloudなど計9頭のGI勝ち馬を輩出しているほか、2歳馬の勝ち上がり頭数の最多記録も持つなど、その種牡馬成績は高いレベルで安定している。

2014年度の種付料が70,000ユーロに設定されているように、欧州短距離界において高い評価を得ているInvincible Spiritであるが、彼の血統を見たとき、2012年より日本で種牡馬入りしているベーカバドと血統的に相似な関係にあると思った。

Invincible=ベーカバド

いずれもGreen Desert系種牡馬×Kris牝馬という組み合わせを持っているのだ。

ただ、その競走成績には違いがあり、Invincible Spiritが6Fを主戦場にしたスプリンターであったのに対し、ベーカバドは仏GIパリ大賞典(12F)を勝っているほか、BCターフ3着や凱旋門賞4着など距離に融通性があった。

だからと言って、ベーカバドに関してはただの中距離馬と見なすのは早計で、2歳7月にデビューして以降、3戦3勝で重賞を制して2歳シーズンを終えているように、ある程度の早熟性も備えている。

また、その3戦とも距離がマイル以下だったこともあり、Invincible Spiritと血統構成が似通っている点も加味すると、この種牡馬は2歳戦から勝ち馬を量産してくることもあり得る。

ベーカバドの血統は、もう一頭のGreen Desert系種牡馬Oasis Dreamとも相似な血の関係にある。

Oasis Dream=ベーカバド

いずれも父系がGreen Desert系であるのはそれほど珍しくもないが、興味深いのは2頭ともその母系にMill ReefとBustedを持っている点である。

また、その位置もOasis Dreamの2代母BahamianがMill Reef×Busted牝馬の組み合わせであるのに対して、ベーカバドの2代母BeheraもMill Reef×Bustino(その父がBusted)牝馬という関係にあり、Bahamian≓Beheraという見方もできる。

実は、GI愛2000ギニーを勝ったKingmanはそのOasis Dreamと近親関係にある。

Kingman=Oasis Dream

上記4頭が織りなす関係はなかなかに興味深い。

全欧2歳チャンピオンのOasis Dreamも種牡馬として成功していて、10頭のGI勝ち馬を輩出しているほか、産駒の勝ち上がり率も非常に高い。

Invincible SpiritやOasis Dreamの成功を見ると、すでに種牡馬入りしているベーカバドやこれから種牡馬入りするであろうKingmanについても、種牡馬としての可能性を感じる。

私の立場から現実的に考えると、日本で種牡馬になっているベーカバドにどのような繁殖牝馬が合うか、ということになる。

Invincible Spiritの産駒を例にとれば、それこそ上記のKingmanなどはベーカバドの配合を考える際に参考になるだろう。

Kingmanの血統を見たとき、まず最初に目につくのがGreen Desert≓ダンシングブレーヴによる相似クロスである。

Green Desert=ダンシングブレーヴ

この2頭はNorthern Dancer系×Sir Gaylord系の組み合わせを持つ点で共通している。

ダンシングブレーヴは日本でも供用されていた種牡馬なので、この血を持つ繁殖牝馬にベーカバドを配合するのは面白いかもしれない。

日本では、例えばエルフィンの2013(牡)がこの相似クロスを持つ。

エルフィンの2013

彼の場合、Mill Reef4×4も良いアクセントになっている。

というのも、Mill Reefが持つNearco/Prince Roseのニックを、Green Desertやダンシングブレーヴ内のSir Gaylordも同様に持っていて、これらの相似クロスも彼の競走能力に好影響を与えてくれるかもしれないからだ。

もう一頭Invincible Spiritの産駒を参考にするなら、豪GIを3勝したYoseiが挙げられる。

Yosei

Invincible Spirit×フジキセキ牝馬という組み合わせからは、ベーカバドがサンデー系牝馬に合う可能性を感じさせる。

この組み合わせからはSir Ivor≓Haloの相似クロスができるほか、Northern Dancer系×サンデー系というニックも派生するからだ。

ベーカバド産駒のなかには、母系にサンデーサイレンスとダンシングブレーヴを持つ血統パターンの馬もいる。

アラマササンデーの2013

アラマササンデーの2013(牝)は、ベーカバドの血統的長所をしっかりと押えている感がある。

私もベーカバドがサンデー系牝馬に合うのではないかと考えていて、自家牧場にもその血統パターンを持つ馬がいる。

可動域の大きい歩様が特長的で、なかなかに気も強くスピード感ある走りを放牧地で見せていて、芝のマイル前後で期待したい馬だ。

最近は、日本で生まれたサンデー系種牡馬に人気が集まる傾向にあるが、ベーカバドのみならず、このブログで扱ったアイルハヴアナザーや以前サラBLOOD!に寄稿したエンパイアメーカー、あるいはヨハネスブルグやヘニーヒューズなど、日高にも期待の大きい非サンデー系種牡馬も輸入されてきている。

また時間があれば、日高の種牡馬を取り上げてみたい。
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[ 2014年05月29日 18:30 ] カテゴリ:種牡馬 | TB(-) | CM(0)

馬のスピード遺伝子(ミオスタチン)

遺伝学に詳しい方や血統派の人たちのなかには、ウマにおける全遺伝子情報の解読が2009年に完了したことをご存知の方も多いはず。

これにより馬の毛色や体高に関わる遺伝子など、さまざまな発見がもたらされている。

そのなかで、いま世界中で注目されているのが、馬の距離適性に関わる遺伝子の特定とその研究成果である。

ミオスタチンと呼ばれるこの遺伝子は、筋量を抑制する役割を持っている。

ミオスタチンの機能が向上すると馬の筋肉量は少なくなり、その遺伝子機能が減少すると筋肉量が多くなるという具合だ。

ミオスタチン遺伝子には、C型とT型という2つの変異体があり、その組み合わせにより3タイプが存在する。

すなわちC:C型、C:T型そしてT:T型である。

これに関連して、愛国の遺伝学者であるE・ヒル博士と同国の一流調教師であるJ・ボルジャー氏が、共同で馬の遺伝子検査サービスを提供する「エクイノム」社を設立した。

この会社が提供する「エクイノム・スピード遺伝子検査(Equinome Speed Gene Test)」は、当該馬から採取した血液サンプルを遺伝子検査にかけてC:C型、C:T型、T:T型のどのタイプであるかを特定するサービスである。

驚くべきは、そのミオスタチン遺伝子の組み合わせによって、馬の距離適性が高い確率で予測可能だというのだ。

エクイノム社の研究結果によると、C:Cタイプはスピードがあり筋肉質の馬体をしていて、いわゆるスプリントタイプ。

その距離適性は1000~1600Mだとしている。

C:Tタイプは、ある程度の速さを持つ中距離タイプで、その距離適性は1400~2400Mとされる。

T:Tタイプは、この3つのタイプのなかでは最もスタミナのあるタイプで、その距離適性は2000M以上となっている。

実は昨年になって、このスピード遺伝子検査が日本の競走馬理化学研究所でも検査可能になった。

この検査を普及させる目的のためか、厩舎関係者に説明会が開かれたと聞いているし、実際に馬産地でもミオスタチンとその検査に関する講演会が複数回開催されている状況だ。

すでに日本においてはミオスタチンの研究がされていて、あるデータによると無作為に抽出したある馬群に対して実施した遺伝子検査の結果、C:Cが17%、C:Tが56%、T:Tが27%であったという。

さらに、あるOP馬群の遺伝子タイプを解析した結果、C:Cが16%、C:Tが70%、T:Tが14%だったとのことだ。

このOP馬のグループに関しては、それぞれ1着~3着という馬券圏内に入着した際の平均出走距離が算出されている。

その結果、各馬の出走距離と彼らの持つミオスタチンの遺伝子型に関連性が認められたとの報告がある。

ところで、JRA重賞は全134レース(障害含む、2013年度現在)あるが、これをC:C、C:T、T:Tの距離適性と比較するために、①1400M以下②1600M~2400M③2500M以上、と3つのグループに分けてみた。

結果は①1400以下の重賞の数が25レース(19%)、②1600M~2400Mの重賞が90レース(67%)、③2500M以上の重賞が19レース(14%)という内訳であった。

こうしてみると、無作為で抽出したグループに比べて、OP馬のグループによるミオスタチンのタイプ比率のほうが、日本の重賞レース体系の距離分け比率と酷似しているのがわかる。

視点を変えれば、OP馬のような能力の高い馬ほど本来その馬たちが持つ距離適性に合ったレース選択がなされていて、その結果“OP入り"という好成績につながった、という考え方もできる。

では、他国の場合はどうか。

例えば、オーストラリアのG1競走は短距離レースの割合が多く、国内の全G1レースのなかで1400M以下のG1の割合は37%とのことだが、これは米国の20%や英国の12%に比べるとはるかに大きい数字だ。

そして、オーストラリアで重賞勝利経験のある種牡馬および繁殖牝馬を対象(計123頭)にスピード遺伝子検査を実施したところ、C:Cタイプが38%、C:Tタイプが51%、T:Tタイプが11頭だったというデータがある。

ここでも、オーストラリアにおける短距離のG1レースの割合(37%)と活躍馬のC:Cタイプの割合(38%)がほぼ同じだった。

これは単なる偶然だろうか。

もしかすると、各国のレース体系の違いが、それぞれの国における競走馬のスピード遺伝子型の割合に影響を与えているのかもしれない。

エクイノム社がある欧州では、ミオスタチン遺伝子のタイプを公表している馬もいる。

昨年の英2000ギニーで5馬身差をつけて圧勝し、現在は種牡馬として繋養されているDawn Approachも、その一頭である。

Dawn Approach

エクイノム社の共同設立者でもあるJ・ボルジャー師が管理していたDawn Approachは、2歳時(2012年)に6戦全勝して英G1デューハーストS(7F)と愛G1ナショナルS(7F)を制して、全欧2歳牡馬チャンピオンに選ばれた。

J・ボルジャー師はこの馬の生産者でもあるが、ボルジャー師はDawn Approachの父New ApproachがC:T型であることも、母Hymn Of The DawnがC:C型であることも事前に認識したうえで配合し、結果としてC:C型のDawn Approachが生まれたという。

C:T型とC:C型が交配された場合、この遺伝子はメンデルの遺伝の法則に従うので、C:C型かC:T型のいずれかが生まれることになる。

ちなみに、2012年にゴフス社のセリ市でDawn Approachの全妹にあたる1歳馬が上場されたが、この馬は事前にC:Cタイプであることを公表していた。

結局、この牝馬は€775,000という高額で落札された。

もう一頭、欧州に繫養されている種牡馬から例を挙げると、英G1デューハーストSの勝ち馬にして昨年の欧州ファーストシーズンサイアーランキングで第2位だったIntense Focusもミオスタチンを公表している種牡馬だ。

Intense Focus

この種牡馬のミオスタチンはC:C型だという。

また、彼の種牡馬成績は、初年度産駒から英G1ミドルパークS(芝6F)の勝ち馬Astaireを輩出するなど好調だ。

やはりC:C型だけあって、短距離レースの多い2歳戦は得意なのだろう。

Intense Focusの場合に限って言えば、ミオスタチンの遺伝子型と産駒成績に関連性がありそうな印象だ。

Intense FocusはGiant's Causeway産駒だが、日本でも同じ父を持つエーシンスピーダーがスピード遺伝子検査を受けたという。

エーシンスピーダー

具体的なミオスタチン型は公表していなかったはずだが、関係者の話しでは彼には長距離適性があるとのこと。

ということは、エーシンスピーダーのミオスタチンはT:T型なのだろう。

メンデルの遺伝の法則を理解している方なら、C:C型とT:T型の産駒を出せる種牡馬はC:T型だけだとおわかりだろう。

つまり、Intense Focusとエーシンスピーダーのミオスタチン型から、Giant's CausewayはC:T型だと推察することができるのだ。

一方、オーストラリアの種牡馬市場でも、ミオスタチンを公表する動きがある。

これにより、繁殖牝馬のオーナーたちに計画的な配合を推奨しようという狙いがありそうだ。

例えば、オーストラリアのWidden Studでは、繋用されている全9頭のミオスタチンを公表、その内訳はC:C型が7頭でC:T型が2頭だった。

やはり、スピード競馬が盛んなオーストラリアだけあって、そのなかで選別されてきた種牡馬たちは遺伝的にもスピードタイプが多いようだ。

このように、ミオスタチン遺伝子を調査することでそれをビジネスにつなげる動きは、世界中で広がりを見せつつある。

米国においては、愛国エクイノム社とは異なる方法でスピード遺伝子検査を実施する会社があり、エクイノム社が血液サンプルを用いて遺伝子検査するのに対し、この会社の場合は採取した鬣(たてがみ)や尾の毛を用いて遺伝子検査をする。

そこで問題となっているのが、毛の採取ルートである。

海外のセリ市などで、一部のバイヤーが購買候補の馬の毛を勝手に抜いて、遺伝子解析に回すケースが起きているというのだ。

さらに、このような事態を受けて、それを規制するような動きもあるとか。

急速な拡がりを見せているスピード遺伝子検査であるが、ここで注意しなければならないのは、ミオスタチン遺伝子のタイプが馬の距離適性を100%確定させるものではないということである。

実際、研究結果のなかには、T:T型にもかかわらず短距離で勝利するような馬の存在も複数報告されているという。

つまり、これはあくまで科学的根拠に裏付けされた一つの『指標』であり、その扱い方を誤らないことが大切なのである。

例えば、生産者や繁殖馬のオーナーは、スピード遺伝子検査を利用することにより距離適性を予測しながら配合できるかもしれない。

調教師は、管理馬の遺伝子型を調べることにより、『どの距離で出走させれば十分な能力を引き出せるか』という一つの判断材料を得ることができるだろう。

一部海外メディアによる記事では、この検査と一連の動きについて『聖杯を手にするにも等しい』と評していたが、実際その扱い方によっては競馬業界に大きな変革をもたらすかもしれない。
[ 2014年05月09日 19:22 ] カテゴリ:配合・遺伝 | TB(-) | CM(0)

California Chrome(米GIケンタッキーダービー)

California Chrome

先週末に開催された米GIケンタッキーダービーは、1番人気のCalifornia Chromeが道中3番手につけながら3~4コーナーあたりから徐々に加速、最後の直線に向いたときにはすでに先頭に立ち、そのまま他馬を引き離して快勝した。

前走の米GIサンタアニタダービーのときもそうだったが、彼の走りを見ていると「乗せてるエンジンが違う」という表現がピッタリだ。

先行抜け出しという小細工なしのレース振りは、彼のレースセンスとインテリジェンスの高さを感じさせる。

次走に向けて何かトラブルがない限り、クラシック第2戦の米GIプリークネスSも人気に応える可能性が高い。

この馬には、調教師とSwapsの関係やカリフォルニア産馬として52年ぶりのダービー制覇などドラマがあるが、ここではあくまで彼の配合にだけ目を向けたい。

父のLucky Pulpitはカリフォルニア州に繫養されている種牡馬で、2014年度の種付料は$2,500だったが、最近はPrivate扱いになっている。

この場合のPrivateは、人気があって公示種付料より高い種付料を現時点では設定しているとも考えられるし、あるいはダービー馬の父としては安すぎるのであまり公表するのは好ましくない、という見方もできる。

あるいは、水面下で種牡馬のトレード話が進んでいるのだろうか。

そのLucky Pulpitだが、Lucky Spellに遡る牝系の出身であり、名種牡馬Unbridled's Songとは従兄弟の関係だ。

Lucky Pulpitの血統で最初に目を引くのは、Nearco/Prince Roseのニックを持つ血脈の多さで、特にLucky Pulpitの2代父A.P.Indyと、彼の母父Cozzeneはその代表と言えるだろう。

A.P.Indy=Cozzene

このうち、A.P.IndyはNearco/Prince Roseのニックを3本、Cozzeneは自身も含めて2本このニックを持つ。

また、Pulpitの3代母Stateもこのニックから成る血脈なので、Lucky Pulpitは計6本のNearco/Prince Roseのニックを持つということになる。

Nearco/Prince Roseのニックを組み合わせて持つ血統パターンは、柔軟性と中距離スピードの強化につながると自分は考えている。

ただ、このニックを持つ血脈は、SecretariatのようにNasrullahを祖先に持つパターンが多く、Nasrullahを経由するNearco/Prince Roseのニックが多ければ多いほど、中距離スピードからより短距離スピード色が濃くなるイメージがある。

Lucky PulpitもSeattle SlewやSecretariat、さらにCozzeneの血脈がNasrullahを経たNearco/Prince Roseのニックを持つ。

Lucky Spiritの競走成績は米3勝だが、その内訳は芝5F、芝5.5Fそしてダ5.5Fとなっていて、彼の短距離スピードはこの血統パターンに起因するのかもしれない。

そして、もう一つ彼の短距離スピードを強化していると思えるのが、What a Pleasure≓Royal Minkの相似クロスである。

What a Pleasure=Royal Mink

いずれも母父がMahmoudであり、直父系が近親関係にあるNasrullahとRoyal Chargerである。

このようにスピード色の濃いLucky Pulpitに対して、母Love the Chaseはどのような血統パターンを有するのか。

一番上に記したCalifornia Chromeの血統表には、今回Xラインを色付けしている。

California Chromeは牡馬なので、Xファクター理論の観点から彼の血統を考察するとき、母のみが対象になる。

彼の血統表で赤色で色分けしたのは私がダブルコピー牝馬と見なした血脈であり、黄色はシングルコピー牝馬(上記血統表ではSir Gaylordの母Atticaのみ)もしくは大きな心臓を伝える可能性が高い種牡馬を表す。

そして、何といっても彼女の血統で特長的なのが、Numbered AccountがXライン上でクロスしている点だろう。

Numbered Account

ダブルコピー牝馬をXライン上でクロスさせる配合は、個人的に非常に有効な手法だと考えている。

この配合手法はしばしば名馬や名牝の血統パターンに見受けられるが、このことはいずれ時間があれば別の機会に触れておきたい。

Numbered Accountの血統を見ると、実は彼女自身も4大Xラインの一つであるWar Admiralやダブルコピー牝馬La TroienneをXライン上にクロスとして持っている。

Love the Chaseの血統は、このように大変優秀なXラインに支えられている。

Not for LoveやPolish Numbersが配されてきたLove the Chaseは、一般的には一流とは言い難い血統かもしれないが、Xファクターのような異なる角度から見ると大変優秀なのである。

全くもって、血統とは奥深いものだ。

さらに奥深いと感じさせるのは、Love the Chaseの母Chase It Downやその母Chase the Dreamもダブルコピー牝馬と推察できる血脈であるにもかかわらず、繁殖成績がそれほど良くないという事実である。

ダブルコピーと推察できる血脈だとしても、いつも良い結果が待っているというわけではないのだ。

一方で、そういう牝系出身のLove the Chaseがなぜこれほどの馬を産むことができたのかという疑問も湧いてくるが、それはやはりNumbered AccountによるXライン上のクロスに起因するのだろう。

彼女の成功を見ていると、血統パターンがいかに重要かを再認識させられる。

もちろん、馬体の良さも非常に重要なファクターで、このようなブログをやっている私でも完全に馬体重視で配合することがある。

それでも、ブラッドスポーツと呼ばれる競馬において、血統を軽んじるべきではないのだ。

さて、ここからはCalifornia Chrome自身の血統パターンを見てみよう。

父Lucky Pulpitが豊富に持つNearco/Prince Roseのニックから成る血脈を活かすべく、California ChromeはSir Gaylordを6・7×5で持っている。

ただ、母Love the Chaseが持つNearco/Prince Roseの血脈はこのSir Gaylordの1本のみで、お世辞にも父の血統的特長を活かしきっているとは言えない。

しかしながら、他の部分でCalifornia Chromeは優秀な血統パターンを持つ。

その一つが、Buckpasser6×5・5である。

これは母が持つNumbered AccountによるXライン上のクロスを間接的に強化するもので、母の血統的特長を活かせる血統パターンだ。

また、母Love the Chaseのところで指摘しなかったが、彼女はBuckpasserの父Tom FoolとSir Ivorの母Atticaから成るTom Fool≓Atticaを持っていて、Buckpasserクロスはこの相似クロスも強化することになる。

Tom Fool=Attica

Tom Foolの父MenowとAtticaの母Atheniaが4分の3同血の関係にあるほか、Bull Dog=Sir Gallahadの全きょうだいクロスができるため、血統的親和性が高い関係と言える。

それから、Northern Dancer3×4を持つLove the Chaseに対して、Northern Dancerと血統的親和性の高いLucky Melを持つLucky Pulpitを配合した点も好感が持てる。

Lucky Mel=Northern Dancer

この組み合わせの有効性については、バンドワゴンを取り上げたときにも書いた。

Xファクター、そして血統パターンの点からも優秀な配合パターンを持つCalifornia Chrome。

先行抜け出しできる脚質を考慮すると、距離が少し短くなる2冠目のプリークネスSでも最有力と言えるだろう。

問題は3冠目のベルモントS(ダ12F)か。

さすがに長いかもしれないが、後方で脚をためる競馬をするならあるいは…という気はする。
[ 2014年05月05日 19:31 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)


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