私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
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Tonalist(米GIベルモントS)

Tonalist

先週末に開催された米三冠最後のレース、GIベルモントSで三冠馬の期待がかかったCalifornia Chrome

正攻法でレースを進めたが、最後は距離適性が出たのか4着に終わった。

代わりに、見事クラシックホースに輝いたのは、California Chromeと同じPulpit系産駒のTonalistだった。

最終コーナーをCalifornia Chromeと一緒に上がってきたTonalistは、直線でもジワジワと伸びて、最後はギリギリ差し切って優勝した。

Tonalistは、米国の人気種牡馬Tapitの産駒である。

そのTapitであるが、タールタンを扱ったときに彼の血統については触れているので、ここでは割愛する。

Tonalistの母Settling Mistは、Xファクターの観点からは興味深い血統背景を持つ。

そこで、上記Tonalistの血統表では、彼のXラインを色分けしてダブルコピー牝馬を赤色に、黄色はシングルコピー牝馬もしくは大きな心臓を伝える可能性が高い種牡馬として、それ以外のラインをグレーでマーキングした。

Settling Mistの3代母Missy Babaからは、A.P.IndyやRuler of the Worldが出るなど名牝系と呼ぶに相応しい拡がりを見せている。

そのMissy Babaだが、Xファクター理論ではシングルコピーと見なされているようで、その娘でSettling Mistの2代母Toll Booth(父Buckpasser)やGay Missile(父Sir Gaylord、A.P.Indy等の牝祖)たちがダブルコピー牝馬とのこと。

Tonalistの血統表を見てわかるように、ダブルコピー牝馬Toll Boothに配合されたTopsiderは特別なXを持っていなかったと思われ、結果として生まれたToll Feeはシングルコピーではなかったかと推測する。

一方で、種牡馬Pleasant Colonyはダブルコピー牝馬Sun Colonyの息子なので、母の持つどちらのXを受け継ごうと優れたXを受け継いだと考えれらる。

そのPleasant Colonyとシングルコピー牝馬Toll Feeとの間に生まれたSettling Mistは、Toll Booth由来のXを母から受け継いでいればダブルコピー牝馬ということになるが、その繁殖成績からは何とも言えない部分がある。

そのため、ここではシングルコピー牝馬という評価に留めた。

さて、ここからはTonalist自身の血統パターンに触れたい。

まずはLassie Dear≒Toll Boothによる4分の3同血クロスが、Tonalistから見ると5×3でクロスしている。

Lassie Dear=Toll Booth

このような相似クロスが近い世代で存在している点は長所だと思われ、また一方の血脈(Toll Booth)がXライン上にあるという点も、個人的には評価したいポイントである。

TolanistにはState≒Topsiderによる相似クロスもある。

State=Topsider.gif

いずれも父系がNorthern Dancer系であり、Topsiderの母父Round TableとStateの母Monarchyが全きょうだいという関係である。

この組み合わせのなかには、Nearco/Prince Roseのニックを持つState、TopsiderおよびDrumtopが存在する。

Tonalistは、このニックを持つ血脈を豊富に持っていて、上記3つの血脈に加えてSeattke Slew、Secretariat、Sir Gaylordもこれに該当する。

系統による組み合わせではなく、単純にNearcoとPrince Roseを持っているという点では、Pleasant Colonyの母Sun Colonyもこれらと親和性のある血脈だろう。

Tonalistは、Nearco/Prince Roseの血脈を豊富に持つことで、優れた中距離スピードや柔軟性を得たのかもしれない。

そして、母Settling Mistはおそらくシングルコピーと評したが、Tonalistの競走能力から察するに、少なくとも彼は母から優れたほうのXを受け継いだのだろう。

いずれにしろ、彼は質の高い血統の持ち主で、順調ならこれから先もGIを勝てる器だと思う。

米GIベルモントSの勝ち馬は、米国においては他の二冠を制した馬よりも種牡馬として低評価される傾向にあるが、この馬に関しては種牡馬として将来有望だというのが個人的な見解である。

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[ 2014年06月10日 20:01 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

フレッシュから勝ち馬を送る新種牡馬たち

ダービーも終わって、中央競馬も2歳戦に注目が集まってくるこの時期。

今回は、一足先に2歳戦が始まっているホッカイドウ競馬から、JRA認定フレッシュチャレンジ競走に優勝した新種牡馬の産駒たちにスポットを当てようと思う。

5月15日、門別競馬場にて新種牡馬の勝ち馬第1号になったのは、ヴァーミリアン産駒のエンターザスフィアだった。

エンターザスフィア

http://www.hokkaidokeiba.net/raceinfo/seiseki.php?p_day=20140515&p_rno=007&bid=digest_bk

父似の500kgを超す恵まれた馬体を活かし、好位追走から直線では力強く抜け出して、最後は2着に1.1/2馬身差をつけて快勝した。

父のヴァーミリアンは毎年のように満口になる人気種牡馬で、今年から新天地のブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬生活を送っている。

力強い首差しと四肢から高いダート適性を感じさせる馬体だが、脚元が柔らかく、2歳時に芝のGⅢラジオらんぱ杯2歳Sを勝っているのも頷ける。

セリなどで産駒を見ると父似の産駒が多い印象で、遺伝力の強さを感じさせる種牡馬だ。

エンターザスフィアの血統を見ると、2代母トーワルビーが持つネヴァービートによるXライン上のクロスが特長的である。

トーワルビーが重賞路線でも活躍できたことを考慮すると、このXライン上のクロスは少なからず好影響を与えたと考えられる。

また、トーワルビーが持つNasrullah4・5×5のクロスについても注目すべきだろう。

ヴァーミリアンの父エルコンドルパサーもまた、Nasurllahの血脈を豊富に持っているからである。

ラムタラの肌馬に、サンデーの血を持つヴァーミリアンを配合したのも好ましい。

Northern Dancerを2本持つラムタラは、Halo系と相性の良いNijinskyやRed Godを持っている。

また、サンデー系はHaloを持ち、Northern Dancer系と相性も良いことから、ラムタラとの血統的な相性も良い。

最たる成功例は、天皇賞(春)の勝ち馬ヒルノダムール(マンハッタンカフェ×ラムタラ牝馬)である。

これらのことから、ラムタラやトーワルビーの血を引くトーワマドンナは、ヴァーミリアンとの血統的相性が良い繁殖牝馬だと考えられる。

さて、5月21日には、新種牡馬カネヒキリ産駒のコールサインゼロがフレッシュチャレンジで勝ち上がった。

コールサインゼロ

http://www.hokkaidokeiba.net/raceinfo/seiseki.php?p_day=20140521&p_rno=005&bid=digest_bk

この馬も、エンターザスフィア同様に外目の好位追走から直線抜け出して、ゴール前では流し気味も3馬身差をつけて圧勝した。

カネヒキリについては、父に似てやや硬めの馬体に出ることがあるからダート向きだとか、父とは違って素軽い馬体に出ている産駒もいて意外と芝向きだとか、いろいろな評価を聞き及んでいる。

ただ、全般的な評価は上々のようで、育成場での評価も良いと聞いているし、それを受けてか今年の種付権利も満口の状況だ。

カネヒキリの血統は、一見するとサンデー系×Northern Dancer系という配合で、Almahmoudクロスがあるくらいのありふれた血統のように思える。

ただ、世代を遡って詳しく調べてみると、Nothirdchance≒Miss DogwoodやWar Relic≒Ladder≒Parade Girlなど、きめ細かい血統パターンになっている。

このような相似クロスからは、強い米血脈の影響が見られるので、やはりダート血統だと言えるだろう。

また、Deputy MinisterおよびMr.Prospectorという2代続けて大きな心臓を伝える可能性が高い血脈をXライン上に配している点も評価できる。

カネヒキリの血統パターンに関しては、かなり世代を遡らないとその良さをうまく説明できないところもあるので、また別の機会があればそこで触れたい。

今回勝ち上がったコールサインゼロは、Millicent≒キタサンコールによるNearco/Prince Roseのニックを活かした組み合わせを持つほか、Silver Valley≒カコイーシーズもある。

特にSilver Valley≒カコイーシーズに関しては、まずMr.Prospector≒Alydarで相似な関係にあり、さらにSilver ValleyがNasrullahを4×4で持つ一方、カコイーシーズもNasrullahを4×3を持っていて、両者の血統的親和性は高い。

全体の血統パターンを考慮すると、コールサインゼロはカネヒキリ産駒のなかでもスピードに秀でているタイプで、もしかすると芝もこなす可能性のある血統の持ち主だ。

最後に、5月22日に勝ち上がったのが、新種牡馬ローレルゲレイロ産駒のウールーズである。

ウールーズ

http://www.hokkaidokeiba.net/raceinfo/seiseki.php?p_day=20140522&p_rno=006&bid=digest_bk


レースではそれほどスタートが決まらなかったが、道中は好位まで追い上げて、最後の直線ではクビ差差し切って優勝。

カネヒキリにとってのコールサインゼロもそうだったが、父のローレルゲレイロにとってウールーズは産駒の初出走初勝利となった。

ローレルゲレイロはそれほど馬格はないが、立派なトモと並ぶと抜かせない勝負根性が持ち味で、ウールーズもレース展開を見る限り、そういう長所をしっかり受け継いでいるようだ。

ヴァーミリアンやカネヒキリほどの人気はないが、それでも今年はウールーズの優勝で種付頭数も増えてきているという。

ローレルゲレイロの血統的長所は、Squander≒シルもあるが、最大のポイントはNearco/Prince Roseのニックを持つ血脈を6本(マルゼンスキーを含めるなら7本)持っている点である。

私の感覚ではBuckpasserクロスを持っている芝馬、特にGI馬ともなればかなり珍しいと思う。

そう考えると、Nearco/Prince Roseのラインを強化した血統パターンにより、芝をこなせる柔軟性を得ているのだろう。

産駒ウールーズの血統パターンは5代表を見てわかるように、キングヘイロー≒リキサンキャロルによるHalo系×ダンシングブレーヴ系の組み合わせを活かした配合だ。

さらにはキングヘイロー≒コマンダーインチーフ、マルゼンスキー≒クラウンフォレスト、モガミヒメ≒カスパースカイゴールドなど、これでもかというくらい相似クロスを用いている。

430台ということで、父の産駒らしくそれほど大きくはない馬格だが、これから成長次第では上のクラスでも面白そうな血統をしている。

今回は、3頭の新種牡馬とその産駒たちを紹介したが、これからの勝ち上がり次第で、ほかの新種牡馬とその産駒たちもこのブログを通じて紹介、応援できればと思っている。

[ 2014年06月03日 19:17 ] カテゴリ:種牡馬 | TB(-) | CM(0)


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