私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
私的血統論 TOP  >  スポンサー広告 >  競走馬 >  クロフネサプライズ(G3チューリップ賞)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --年--月--日 --:-- ] カテゴリ:スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

クロフネサプライズ(G3チューリップ賞)

クロフネサプライズ

今月は、クラシックに向けてのトライアルレースが目白押しだった。

牡馬のほうは、ロゴタイプがG2スプリングSを制したことで、ある程度の軸が決まってきたかなとも思うが、牝馬路線のほうは混戦模様という印象。

そこで今回は、トライアルレースの王道とも言うべきG3チューリップ賞を制した、また日高地方(新ひだか町)生産という贔屓も多少あることから、クロフネサプライズを取り上げたいと思う。

父クロフネは、3歳時にG1NHKマイルCとG1JCダートを制するという万能型の怪物であった。

クロフネ産駒はダートでの勝ち鞍が多いのだが、一方で上位で活躍するのは芝馬が多く、結果として父同様に芝・ダート兼用のイメージが持たれている。

実際、その馬体は筋肉量が多い上に柔軟性があり、背中から尾にかけてのラインにはキレがある。

斜尻に見せるトモとしっかりと地に足をつくような踏み込みからは、力強いスピードと瞬発力を連想させるが、このあたりの理由を血統に求めるなら、Nearctic5×4にその要因があるのかもしれない。

クロフネの血統では、Northern Dancer≒Icecapadeの『4分の3同血クロス』を支える血脈の一つであるが、このNearcticのクロスはしばしば力強いスピードを伝える傾向にある。

Northern=Ice

近年、ウマゲノムの解読により『馬のスピード遺伝子』とも称されるミオスタチンと呼ばれる遺伝子が発見されている。

そして、このミオスタチンの型のなかでもスピードタイプの遺伝子を多くの現代馬に伝えているのが、このNearcticだとされている。

特に、その息子であるNorthern Dancerの存在が血脈の繁栄に寄与していることは想像に難くない。

クロフネの血統では、そのNorthern Dancerと遺伝的近親であるIcecapadeを4×3の位置でクロスさせることにより、力強く爆発力のあるスピードが伝わったとも考えられる。

一方、母のアイアンブリッジに関しては、佐賀(公)にて1勝したのみで、お世辞にも競走馬として活躍したとは言えない。

ただ、アイアンリッジの血統は非常に特徴的で、とにかくHyperionのラインが強い。

アイアンの父トニービンが5×3*5、母の父ニホンピロウイナーが5×4、そして2代母の父ノーザンテーストがLady Angelaクロスを介して4×3の位置で、それぞれHyperionクロスを有する。

そして、そのなかでも注目したい血脈が、Nearco/Hyperionのニックから生まれたHornbeam、A.1.、Nearcticそしてサニースワップスである。

H=A=N=サ

4頭を一つの血統表に押し込めている。

サニースワップスに関しては分かりづらいかもしれないが、直父系がNearco系である。

アイアンブリッジの血統に存在するこの4本の血脈に加えて、トニービンの3代母Campanetteもそれらと血統的親和性があるかもしれない。

Campanetteは、2代父がFairway(Nearcoの父Pharosの全弟)であり、母の父がHyperionである。

これら5本は、アイアンブリッジの血統では3*4×3*4*5のポジションに位置する。

そして、重要なことはこれら5本の血脈のなかに、クロフネの血統においてキーホースになっていたNearcticが含まれていることである。

クロフネサプライズの代では、Northern Dancer5×5に遺伝的近親のIcecapadeを加えることにより、Nearcticクロスを強化しているが、そこにHornbeamなどのNearco/Hyperionを持つ血脈がさらに補強を加えた。

その他にも、2代父フレンチデピュティがその母系に持っていたNearco/Prince Roseのニックも、アイアンブリッジの3代父Kalamoun(同ニックを持つ)を迎えることで強化することができた。

血統を勉強している方々のなかには、『アイアンブリッジはこれだけHyperionが強いのだから、種牡馬のほうもHyperionを多く持つ馬に付ければいいのに』と思う方もいらっしゃるだろう。

ただ、生産牧場で実際に配合に携わっている人間からすると、このクロフネという選択は非常によくわかる話しだ。

というのも、母アイアンブリッジの現役時の馬体重をnetkeibaで見てみると400~410kg程度であり、小柄なタイプかもしくはトニービン産駒特有のヒョロッとした薄手の馬体であったことが想像される。

そういう馬体をした繁殖牝馬には、ある程度肉付きが良く馬格のある種牡馬を選びたくなるのが生産者の性である。

そうしないと、仮に小柄だったり薄手の産駒が生まれると、庭先やセリで売却する上で不利な材料になり得るからだ。

実際、アイアンブリッジの初年度の相手はブラックホークだったが、ブラックホークは非常に肉付きが良いパワフルな馬体の持ち主だ。

結果として、その産駒は勝ち上がることができなかったものの、"初年度の牝駒”という小柄な馬が生まれやすい条件にも関わらず、その馬体重は母馬以上で競馬することができた。

その後もダンスインザダーク、アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ネオユニヴァースと馬格のある種牡馬と交配している点を見ても、生産者の方がいかに体型を気にしながら配合に気を遣っていたか推察できる。

その試行錯誤の成果が、クロフネサプライズの重賞制覇に繋がったのだろう。

来週発売の競馬ブックなどに掲載される写真で、どれほどの成長を見せているか楽しみなクロフネサプライズ。

以前までの写真では、クロフネの雰囲気は残しつつトニービンの馬体の伸びも感じたので、成長次第では桜花賞のみならず、樫の舞台でも注目したいと思っている。
[ 2013年03月30日 21:37 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。