私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
私的血統論 TOP  >  スポンサー広告 >  競走馬 >  マイネルホウオウ(G1NHKマイルC)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --年--月--日 --:-- ] カテゴリ:スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

マイネルホウオウ(G1NHKマイルC)

マイネルホウオウ

たまには新馬勝ちした馬やローカル重賞を勝った馬を取り上げようかとも思ったが、諸事情で後回しになっていたNHKマイルCの勝ち馬マイネルホウオウを取り上げることにした。

そのマイネルホウオウは、日高地方の新冠町で牧場を構えるヒカル牧場の生産。

家族経営とのことだが、日高地方で家族形態の牧場は珍しいものではなく、そのほかでは数人の従業員を雇う程度の牧場が大半を占める。

自分の牧場もこれら中小規模の範疇に入るが、大手の牧場に比べれば確かに資金力の面で不利ではある。

それでも、各々の牧場の特徴を生かせば、中小牧場でもG1馬を生産することは不可能ではないということをマイネルホウオウが証明してくれた。

自分の牧場でも、また(というか何回でも(笑))重賞勝ち馬を生産・育成したいものだ。

マイネルホウオウの父であるスズカフェニックスにとっては、この3歳世代が初年度産駒になるが、その産駒頭数は決して多くない。

サンデー直仔にしてG1ホースであるスズカフェニックスは、叔父に英ダービー馬ドクターデヴィアスや高松宮記念を制したシンコウキングがいて、一流といっていい血統の持ち主である。

それでも産駒数に恵まれなかったという事実は、現在の日本の生産マーケットにおいて、サンデー系の飽和がいかに顕著であるかを示唆している。

サンデー直仔の種牡馬の場合、繁殖牝馬側にサンデーの血が先に入っていると、どうしても配合が難しくなる。

さて、そのスズカフェニックスの産駒に関してだが、現在のところ中央勝ち馬はマイネルホウオウを入れて3頭という状況。(6月30日現在)

これら3頭に共通する血統的特徴は、“母側にNearco/Prince Roseのニックを持つ血脈が存在する”という点にある。

マイネルホウホウの血統内ではMitterandが、スズカアドニスではTable Play、そしてミラクルラヴィの場合はSeattle Slewと2本のSecretariatがこのニックを持つ。

これは、スズカフェニックスの3代母であるRose Redが、Nearco/Prince Roseのニックを持つことが関係しているかもしれない。

実際、Rose Redの孫にあたるシンコウキングの種牡馬成績にも、同様の傾向が見られる。

シンコウキングは豪・新国で5頭のG1勝ち馬を輩出して成功したが、これら5頭は例外なくその母系にNearco/Prince Roseのニックから成る血脈を持つという事実は興味深い。

マイネルホウホウの血統に限って言えば、Rose Red≒Mitterandという相似な血の関係にも着目したい。

Rose=Mitterand

この2つの血脈は、前述のとおりNearco/Prince Roseのニックを持つのだが、それぞれの2代母がTourbillon系である点まで共通していて、その血統的親和性は高い。

ただ、ホウオウの血統ではそのような相似な血の存在よりも、Northern Dancer4・5×5のクロスのほうがシンプルで目立つ血脈だろう。

このクロスは“息子”と“娘”を経たクロスで、個人的に好きな配合手法の一つであるが、実際にはスズカフェニックスの母ローズオブスズカの代でこの手法が用いられている。

そのため、Northern Dancerを内包する繁殖牝馬にスズカフェニックスを配合すると、Northern Dancerの血脈が必ず息子と娘を経てクロスされる。

さらに、スズカフェニックスの持つ瞬発力の源ともいえるAlmahmoud(Northern Dancerの2代母)の牝馬クロスが、そのNorthern Dancerクロスを経て強化される血統パターンになる。

マイネルホウオウのNHKマイルCのパフォーマンスを見る限り、このNorthern Dancer~Almahmoudのラインが父から仔へ強く遺伝したのではないか。

一方、マイネルホウオウの母テンザンローズは、競走馬として脚元に不安を抱えていたようだが、結局中央では勝てず東海で5勝という成績に終わった。

ただ、優秀とは言い難い競走成績の馬であっても、優秀な繁殖牝馬になることはできる。

特に、同馬の父フレンチデピュティは年々BMSランキングを上げてきている種牡馬で、その繁殖成績から牝系を強化できるタイプの種牡馬だと自分は考えている。

私は血統や配合を調べる際に、Xファクターの観点から考察することを一つの手段としている。

フレンチデピュティのBMSとしての活躍を見ていると、Xファクター的に優れたX染色体を子孫に伝えているように思えてならない。

フレンチデピュティのハートラインを辿っていくと、4大ハートラインの一つであるBlue Larkspurの名前を見つけることができるが、果たしてその血脈に由来するものなのだろうか。

そのフレンチデピュティは米血脈らしくパワフルなスピードを伝えて、産駒はダート戦での勝ち数が多いのだが、一方で他の系統から素軽さや柔軟性を加えれば芝の大物を出せる種牡馬でもある。

例えば、今年のG2弥生賞を制したカミノタサハラもディープインパクト×フレンチデピュティ牝馬の組み合わせだ。

ディープインパクトはサンデー直仔であるが、サンデー系がもたらす素軽さや柔軟性さらには優れた瞬発力といった特徴は、フレンチデピュティの血脈にとって大いにプラスに働くはずだ。

スズカフェニックスもサンデー直仔らしく、素軽さや柔軟性を併せ持つ馬体の持ち主である。

そして、マイネルホウオウの配合からは、そういう長所を持つ種牡馬を配合することで、母馬の脚元の不安を補完しようとした生産者の配合観が窺える。

マイネルホウオウの血統では、Man o'Warの影響が強い血脈が数本存在する点も興味深い。

まず、ホウオウはHal to Reason4×5を持つが、その母Nothirdchance(エイコーンS勝ち馬)はMan o'Warのインブリードを持つ。

Nothirdchance

次に、マイネルホウオウの5代表では登場しないが、サンデーサイレンスの母父母父にあたるStymie(米国で131戦35勝というタフな競走成績を持つ)の存在がある。

StymieはMan o'War3×3を持つが、そのうち1本のMan o'Warはハートライン上に存在する。

Stymieの血脈自体が、サンデーサイレンスの血統においてハートライン上に存在することを考慮すると、サンデーサイレンスはこのStymieを通じてMan o'Warの大きな心臓を受け継いだのだろうか。

Stymie

スズカフェニックスの2代母の父Alleged(凱旋門賞を連覇)も、Man o'Warの影響が強い血脈だ。

すなわち、息子のWar Admiral3×4を通じてMan o'Warを2本持つ。

Alleged

以上は、マイネルホウオウの父(スズカフェニックス)内に存在するMan o'Warの血脈たちだったが、今度は母テンザンローズの血統に目を向けてみよう。

テンザンローズの血統でMan o'Warの血脈が強いのは、何といってもリアルシャダイだろう。

前述したNothirdchanceを持つほか、In Reality(フロリダダービー等)の存在が大きい。

この馬は、Man o'Warの息子War Relicを3×3で持つ。

In Reality

少々深く考察してしまったら、頭のなかのエンジンが止まらなくなってきたので(苦笑)、備忘録程度にもう少しマイネルホウオウにおけるMan o'War系の生かされ方を記しておく。

すなわち、フレンチデピュティ内Eight Thirty(メトロポリタンH等)の血が、上記4本のMan o'Warの影響を受けた血脈のうち、3本の血脈と血統的親和性が高い関係にある点を指摘しておきたい。

まず、Eight Thirty≒War Relicの関係がある。

Eight Thirty=War Relic

War RelicはIn Realityの血統でインブリードされた形で存在するが、この『Eight ThirtyにIn Realityを当てる』という配合パターンは、フジキセキの母ミルレーサーやエンパイアメーカーの2代母Image of Realityの血統にも見られる手法だ。

次に、Eight Thirty≒Stymieの関係がある。

かなり血統的親和性の高い関係にあるのだが、5代表での比較ではわかりづらいので、ここはあえてそれぞれの母であるDinner Time≒Stop Watchに焦点を当てたい。

Dinner Time=Stop Watch

血統表での比較を見てわかるように、見方によってはDinner Time≒Sunset Gunという捉え方もできるだろう。

そして最後に、Eight Thirty≒Nothirdchanceによる相似な血の関係を挙げておく。

Eight Thirty=Nothirdchance

Eight Thirtyの父方(Pilate)に相似な血が存在しないようにも見えるが、Friar Rock≒Man o'Warの関係(Eight Thirty≒War Relicの血統表を参照)を把握しておくと、その血統的親和性の高さがわかるはずだ。

改めてマイネルホウオウの血統パターンを振り返ってみると、全体に米血脈が強い印象を受ける。

脚元などは父スズカフェニックスの芝向きの柔らかさが見られるが、脚から上の造りには力強さを感じる。

将来は、案外ダート路線でも頭角を現すかもしれない。
[ 2013年07月05日 20:35 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。