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Xファクター 第4回 『ダブルコピー牝馬』

Xファクターの第4回は、ダブルコピー牝馬について取り上げる。

過去3回のXファクターに関する記事では、大きな心臓という特徴はX染色体を通じて伴性遺伝するという考え方を中心に展開してきた。

牡馬は、Y染色体とX染色体を1本ずつ持っている。

牝馬は、Y染色体は持っていないが、その代わりにX染色体を2本持つ。

産駒が生まれる際、種牡馬はYかXのうちの1本を、繁殖牝馬はペアのXのうち1本を伝える。

このとき、種牡馬がY染色体を伝えれば牡馬が、X染色体を伝えれば牝馬が生まれる。

牝馬は2つのX染色体を持つが、1つは父側から、もう一つは母側から受け継ぐ。

そして、牝馬の持つ2つのX染色体のいずれもが大きな心臓を伝えることのできる特徴を持っている場合、原著ではそのような牝馬を『ダブルコピー牝馬』と呼んでいる。

ダブルコピー牝馬が牡馬を産んだ場合、牡馬は母馬からのみX染色体を受け継ぐが、母が2本持つX染色体のうちどちらを受け継いでも、母がダブルコピー牝馬のため、その牡馬は結果的に大きな心臓という特徴を持つ遺伝子を受け継ぐ。

ダブルコピー牝馬が牝駒を産んだ場合は、父が大きな心臓を持っているなら、その牝駒もダブルコピー牝馬と見なすことができるだろう。

もし普通の心臓を持つ種牡馬とダブルコピー牝馬が交配されて、結果として牝馬が生まれた場合、その牝駒は『シングルコピー牝馬』である。

シングルコピー牝馬とは、2つのX染色体のうち1つだけが大きな心臓という遺伝子情報を受け継いでいる牝馬のことを指す。

また、いずれのX染色体も大きな心臓とい遺伝情報を持ち合わせていない場合、その牝馬は『ゼロコピー牝馬』である。

原著である2冊の『X FACTOR』のなかで、ダブルコピー牝馬の最たる例としてA.P.IndyやSummer Squallの母であるWeekend Surpriseを挙げている。

Weekend Surprise

この牝馬は、大きな心臓を持っていたSecretariatを父に持ち、母Lassie Dearもまたダブルコピー牝馬という血統背景から生まれている。

Weekend SurpriseのXライン上にはPrincequilloが2本あり、一つはSecretariatから、もう一つは彼の半兄Sir Gaylordから伝わっているものだ。

Weekend Surpriseのハートスコアは137だったが、この数値はSir Gaylordのハートラインに属するものらしい。

つまり、Secretariatの心臓の大きさはWeekend Surpriseの体においては劣性となっているが、その遺伝子情報はSecretariatから受け継いだX染色体とともに持っている。

Sir Gaylordの伝えるX染色体からは、ハートスコアにして137~140程度の心臓が伝わるようで、Sir GaylordをXライン上に持つ馬に対してしばしば見られる特徴だという。

そういえば、他の方々の血統関連のサイトやブログを覗くことがあるのだが、なかにはダブルコピーを異なった形で捉えている方もいらっしゃるようだ。

すなわち、Xライン上にクロスを持つ牝馬がダブルコピー牝馬だという考え方だ。

原著通りの考え方でいけば、自分がこのブログで展開している考え方で良いかと思うが、一方でWeekend Surpriseのような有名なダブルコピー牝馬にはしばしばXライン上のクロスという特徴も見られる。

Weekend Surpriseの血統で言えばSomethingroyalのクロスがこのパターンに該当するし、他の有名なダブルコピー牝馬としてはSeattle Slewの母My Charmer、古くはLa TroienneやPocahontasというダブルコピー牝馬もXライン上にクロスを持っている。

有名な牝馬にダブルコピーが多く存在する一方、シングルコピーながらケンタッキーダービーを制覇した牝馬もいる。

それがWinning Colorsである。

Winning Colors

原著によるとこの牝馬は大きな心臓を持っているが、それは母方のハートラインから受け継いだ特徴であるという。

なぜなら、父Caroの心臓は解剖の結果、普通サイズのものだったからだ。

Winning Colorsの持つ大きな心臓は、おそらく彼女の2代母Miss Carmieからくるものだろう。

Miss Carmieは、自身の全てのXライン上に大きな心臓を持つ馬たちを配している馬である。

そのため、Miss Carmieもダブルコピー牝馬として原著では紹介されている。

Winning Colorsのようなシングルコピー牝馬でも、2本あるX染色体のうち大きな心臓を伝えるX染色体のほうを産駒に伝えれば、その産駒も大きな心臓を持つ可能性がある。

牝駒のゴールデンカラーズ(父Mr.Prospector)は確率のゲームに勝ち、大きな心臓を受け継いだのだろうか。

彼女はOPのフローラS(芝1400)に勝ってG3クイーンSにも2着しているが、繁殖牝馬としてはさらに優秀で、8勝してG3キーンランドCを制したチアフルスマイル(牝、父サンデーサイレンス)を輩出している。

ちなみに、Miss Carmieの心臓はBlue Larkspurのタイプに属するものらしい。

Weekend Surpriseは、Sir Gaylordを経てPrincequilloの心臓タイプに属するという。

PrincequilloとBlue Larkspurは、ほかにWar AdmiralとMahmoudを加えて、原著では4大ハートラインと呼ばれている。

次回はその4大Xラインの例を何頭が挙げて、この『Xファクター』シリーズの最終回にしたいと思う。
[ 2013年01月09日 08:11 ] カテゴリ:配合・遺伝 | TB(-) | CM(0)
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