私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ
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California Chrome(米GIケンタッキーダービー)

California Chrome

先週末に開催された米GIケンタッキーダービーは、1番人気のCalifornia Chromeが道中3番手につけながら3~4コーナーあたりから徐々に加速、最後の直線に向いたときにはすでに先頭に立ち、そのまま他馬を引き離して快勝した。

前走の米GIサンタアニタダービーのときもそうだったが、彼の走りを見ていると「乗せてるエンジンが違う」という表現がピッタリだ。

先行抜け出しという小細工なしのレース振りは、彼のレースセンスとインテリジェンスの高さを感じさせる。

次走に向けて何かトラブルがない限り、クラシック第2戦の米GIプリークネスSも人気に応える可能性が高い。

この馬には、調教師とSwapsの関係やカリフォルニア産馬として52年ぶりのダービー制覇などドラマがあるが、ここではあくまで彼の配合にだけ目を向けたい。

父のLucky Pulpitはカリフォルニア州に繫養されている種牡馬で、2014年度の種付料は$2,500だったが、最近はPrivate扱いになっている。

この場合のPrivateは、人気があって公示種付料より高い種付料を現時点では設定しているとも考えられるし、あるいはダービー馬の父としては安すぎるのであまり公表するのは好ましくない、という見方もできる。

あるいは、水面下で種牡馬のトレード話が進んでいるのだろうか。

そのLucky Pulpitだが、Lucky Spellに遡る牝系の出身であり、名種牡馬Unbridled's Songとは従兄弟の関係だ。

Lucky Pulpitの血統で最初に目を引くのは、Nearco/Prince Roseのニックを持つ血脈の多さで、特にLucky Pulpitの2代父A.P.Indyと、彼の母父Cozzeneはその代表と言えるだろう。

A.P.Indy=Cozzene

このうち、A.P.IndyはNearco/Prince Roseのニックを3本、Cozzeneは自身も含めて2本このニックを持つ。

また、Pulpitの3代母Stateもこのニックから成る血脈なので、Lucky Pulpitは計6本のNearco/Prince Roseのニックを持つということになる。

Nearco/Prince Roseのニックを組み合わせて持つ血統パターンは、柔軟性と中距離スピードの強化につながると自分は考えている。

ただ、このニックを持つ血脈は、SecretariatのようにNasrullahを祖先に持つパターンが多く、Nasrullahを経由するNearco/Prince Roseのニックが多ければ多いほど、中距離スピードからより短距離スピード色が濃くなるイメージがある。

Lucky PulpitもSeattle SlewやSecretariat、さらにCozzeneの血脈がNasrullahを経たNearco/Prince Roseのニックを持つ。

Lucky Spiritの競走成績は米3勝だが、その内訳は芝5F、芝5.5Fそしてダ5.5Fとなっていて、彼の短距離スピードはこの血統パターンに起因するのかもしれない。

そして、もう一つ彼の短距離スピードを強化していると思えるのが、What a Pleasure≓Royal Minkの相似クロスである。

What a Pleasure=Royal Mink

いずれも母父がMahmoudであり、直父系が近親関係にあるNasrullahとRoyal Chargerである。

このようにスピード色の濃いLucky Pulpitに対して、母Love the Chaseはどのような血統パターンを有するのか。

一番上に記したCalifornia Chromeの血統表には、今回Xラインを色付けしている。

California Chromeは牡馬なので、Xファクター理論の観点から彼の血統を考察するとき、母のみが対象になる。

彼の血統表で赤色で色分けしたのは私がダブルコピー牝馬と見なした血脈であり、黄色はシングルコピー牝馬(上記血統表ではSir Gaylordの母Atticaのみ)もしくは大きな心臓を伝える可能性が高い種牡馬を表す。

そして、何といっても彼女の血統で特長的なのが、Numbered AccountがXライン上でクロスしている点だろう。

Numbered Account

ダブルコピー牝馬をXライン上でクロスさせる配合は、個人的に非常に有効な手法だと考えている。

この配合手法はしばしば名馬や名牝の血統パターンに見受けられるが、このことはいずれ時間があれば別の機会に触れておきたい。

Numbered Accountの血統を見ると、実は彼女自身も4大Xラインの一つであるWar Admiralやダブルコピー牝馬La TroienneをXライン上にクロスとして持っている。

Love the Chaseの血統は、このように大変優秀なXラインに支えられている。

Not for LoveやPolish Numbersが配されてきたLove the Chaseは、一般的には一流とは言い難い血統かもしれないが、Xファクターのような異なる角度から見ると大変優秀なのである。

全くもって、血統とは奥深いものだ。

さらに奥深いと感じさせるのは、Love the Chaseの母Chase It Downやその母Chase the Dreamもダブルコピー牝馬と推察できる血脈であるにもかかわらず、繁殖成績がそれほど良くないという事実である。

ダブルコピーと推察できる血脈だとしても、いつも良い結果が待っているというわけではないのだ。

一方で、そういう牝系出身のLove the Chaseがなぜこれほどの馬を産むことができたのかという疑問も湧いてくるが、それはやはりNumbered AccountによるXライン上のクロスに起因するのだろう。

彼女の成功を見ていると、血統パターンがいかに重要かを再認識させられる。

もちろん、馬体の良さも非常に重要なファクターで、このようなブログをやっている私でも完全に馬体重視で配合することがある。

それでも、ブラッドスポーツと呼ばれる競馬において、血統を軽んじるべきではないのだ。

さて、ここからはCalifornia Chrome自身の血統パターンを見てみよう。

父Lucky Pulpitが豊富に持つNearco/Prince Roseのニックから成る血脈を活かすべく、California ChromeはSir Gaylordを6・7×5で持っている。

ただ、母Love the Chaseが持つNearco/Prince Roseの血脈はこのSir Gaylordの1本のみで、お世辞にも父の血統的特長を活かしきっているとは言えない。

しかしながら、他の部分でCalifornia Chromeは優秀な血統パターンを持つ。

その一つが、Buckpasser6×5・5である。

これは母が持つNumbered AccountによるXライン上のクロスを間接的に強化するもので、母の血統的特長を活かせる血統パターンだ。

また、母Love the Chaseのところで指摘しなかったが、彼女はBuckpasserの父Tom FoolとSir Ivorの母Atticaから成るTom Fool≓Atticaを持っていて、Buckpasserクロスはこの相似クロスも強化することになる。

Tom Fool=Attica

Tom Foolの父MenowとAtticaの母Atheniaが4分の3同血の関係にあるほか、Bull Dog=Sir Gallahadの全きょうだいクロスができるため、血統的親和性が高い関係と言える。

それから、Northern Dancer3×4を持つLove the Chaseに対して、Northern Dancerと血統的親和性の高いLucky Melを持つLucky Pulpitを配合した点も好感が持てる。

Lucky Mel=Northern Dancer

この組み合わせの有効性については、バンドワゴンを取り上げたときにも書いた。

Xファクター、そして血統パターンの点からも優秀な配合パターンを持つCalifornia Chrome。

先行抜け出しできる脚質を考慮すると、距離が少し短くなる2冠目のプリークネスSでも最有力と言えるだろう。

問題は3冠目のベルモントS(ダ12F)か。

さすがに長いかもしれないが、後方で脚をためる競馬をするならあるいは…という気はする。
[ 2014年05月05日 19:31 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)
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