私的血統論

馬産地・日高地方から競走馬の血統を考察するブログ

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ルージュバック(GⅢエプソムC)

ルージュバック

GⅢエプソムは、1番人気のルージュバックが優勝。

1年4か月ぶりの勝利となったが、ここに至るまでの過程は陣営にとって大変なものだっただろう。

この勝利を契機に、秋のGⅠ戦線でも活躍を期待したい。

さて、そのルージュバックだが、父は昨年亡くなったマンハッタンカフェである。

マンハッタンカフェの血統で特徴的なのは、Halo≒Bold Bikiniの関係だろう。

Halo=Bold Bikini 

上記の血統表を見ただけでは、両者の血統的親和性がそれほど高そうには見えない。

しかし、両者の直父系がRoyal Charger≒Nasrullah(4分の3同血)であり、Nothirdchance≒AlablueがいずれもBlue Larkspur系×SIr Gallahad系の組み合わせを持つ。

さらには、HaloとBold Bikiniいずれの母系にも、MahmoudとSeleneの血が入っている。

このHalo≒Bold Bikiniの関係が自分の想像以上に重要なのか、マンハッタンカフェ産駒においては、HaloやBold Bikiniに関係する血脈を強化すると活躍傾向にある。

例えば、産駒のなかで最多獲得賞金のエーシンモアオバーはMr.ProspectorとNijinskyを持っているが、Mr.ProspectorはBold Bikiniの父Boldnesianと組み合わせのクロス(Nasrullah系×Polynesian系)を形成し、Nijinskyはマンハッタンカフェの2代父Haloと血統的親和性が高い関係にある。

Boldnesian=MrProspector 

GⅠ馬のヒルノダムールはHaloの母Cosmahを4×6で持つほか、Halo≒Red Godの相似クロスも形成する。

エーシンモアオバーやヒルノダムールに限らず、マンハッタンカフェ産駒で活躍している馬には、母系にNorthern Dancerを持つ馬が多い。

これは、もしかするとBold Bikini≒Northern Dancerができるためだろうか。

Bold Bikini=Northern Dancer

両者の血脈は、まずBoldnesian≒Northern DancerによるNearco系×Polynesian系の組み合わせの強化があるほか、互いにHyperionとMahmoudを持つ点でも共通する。
 
では、ルージュバックの母ジンジャーパンチはどうかというと、やはり彼女もNorthern Dancerの血を持っている。

ジンジャーパンチは米GⅠを6勝した名牝で、BCディスタフも制して米古牝馬チャンピオンにも選ばれている。

その血統はというと、血統パターンという観点からはどうにも高評価できないレベルだ。

Northern Dancer≒Mr.Prospector≒Bold Ruckusが織りなす、Nearco系×Native Dancer系による組み合わせクロスの強化は見られる。

あるいは、そこから派生してこれら3つの血脈とRed Godによる血統的親和性に着目すべきかもしれない。

これらの血脈が、Nearco系×Sickle(Pharamond)系という点で共通しているからだ。

でも、それ以外の血統パターンに関しては、ジンジャーパンチの3代母が牝馬クロスを持っているとか、Xファクターの観点から評価すべき血脈が存在するとかはあるものの、スペシャルな感じがしないのだ。

それでも、彼女が優秀な競走成績を収めた事実は変わらない。

あるいは、これが血統論の限界だとも言える。

強いて血統にこだわった上で彼女を繁殖牝馬として見るならば、こういう牝馬には血統的にいかにも相性が良さそうな種牡馬か、もしくは圧倒的な遺伝力を誇る種牡馬を選ぶのが良いと思う。

ルージュバックはこの場合、前者に当たる血統パターンを持つ。

上記のルージュバックの血統表を見てわかるように、彼女はマンハッタンカフェ産駒の成功パターンであるBold Bikiniの血を活かすべく、その父Boldnesian5×5のクロスを持つ。

さらに、このBold BikiniやBoldnesianと血統的親和性が高いNorthern DancerやMr.Prospectorを母側に持っている点も、彼女の血統的特長である。

また、母側にRed Godも持っているので、この血と相性の良いHaloも活かすことができるので、これもマンハッタンカフェ産駒の成功パターンに合致する。

ルージュバックの代においては、父母の代で存在しなかったWishing Well≒Wise Exchangeという組み合わせも派生した。

Wishing Well=Wise Exchange 

いずれもPromised Land系×Hyperion系という組み合わせから成る。

このようにルージュバックの血統を考察してみると、ジンジャーパンチの血を活かす意味で、マンハッタンカフェは最適な種牡馬の一頭だったと思う。

彼亡き今、今度はディープインパクトのような圧倒的な遺伝力を誇る種牡馬と交配されたとき、どのような競走成績をもたらすか興味深い。

ここに来て重賞勝ちしたこと、父がやや晩成傾向にあったこと、そして母が古牝馬チャンピオンだったことを考慮すると、ルージュバックも古馬になっての成長が期待できる。

父母同様に、GⅠタイトルに手が届くか。これから迎える秋の競走成績がポイントになってくると思う。



[ 2016年06月14日 22:04 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

『サラブレ』7月号に寄稿

『サラブレ』7月号に、勝手に配合案という企画に寄稿しております。

https://www.enterbrain.co.jp/product/magazine/sarabre/16000065

今回のお題は、ウオッカとダイワスカーレットの配合相手にはどの種牡馬が良いかという内容です。

私のほかに、グランデファームの衣斐社長と血統屋の望田さんが寄稿されています。

それぞれの配合スタンスが垣間見れるような内容になっていますので、血統や配合に興味のある方は是非ご購読下さい。
[ 2016年06月14日 18:48 ] カテゴリ:お知らせ | TB(-) | CM(0)

キングズガード(栗東S)

キングズガード

久々となる今年最初の更新は、OP勝ち馬のキングズガードについて血統考察したい。

先週のG1ヴィクトリアマイルでは7歳牝馬のストレイトガールの優勝が衝撃的だったわけだが、個人的に興味を惹いたのが同日の京都のメインレース栗東Sを快勝したキングズガードのほうだったのである。

少し出遅れ癖があるようで、今回のレースでもスタート時はあまり行き脚がつかず、道中は中団よりやや後方だったが3~4コーナーでジワジワと進出。

直線に向いてからは、ダートながら1頭だけ次元の違う末脚であっさりと他馬を交わして優勝した。

レースだけ見れば、2着馬ポメグラメネイトが勝って然るべき内容だったと思うが、あれを差し切るのだから能力的には重賞級と見てよい。

父のシニスターミニスターは、A.P.Indy系種牡馬であり、ケンタッキーダービーの前哨戦である米G1ブルーグラスSを勝っている。

血統的には、Nearco/Prince Roseのニックを持つ血脈を7本持っていて、その血統パターンからは柔軟性を感じさせる。

また、Nasrullahの血を多く持ち、一方でそれと近親関係になるRoyal ChargerやMahmoudも持つことから、これらの組み合わせから生じるスピードもシニスターミニスターの長所である。

Hail to Reason6×5・5を持つのもこの種牡馬の特徴であるが、これとシニスターミニスターの母側にあるGold Diggerの血と併せて、相似クロスを形成している点も興味深い。

Hail to Reason=Gold Digger

それぞれの直父系であるRoyal ChargerとNasrullahが近親関係にあることは既述したが、この2つの血脈は母系にSir Gallahad=Bull DogとBlue Larkspurを持つ点で共通している。

シニスターミニスター産駒でOPもしくは重賞勝ちのある馬は、今回のキングズガードのほかにはインカンテーション(重賞3勝)とダブルスター(OPアルデバランS)しかいない。

このうち、キングズガードとインカンテーションはHail to Reason≒Gold Diggerを用いているほか、Nearco/Prince Roseの流れも継続強化している。

ダブルスターについては、Nearco/Prince Roseの血脈は継続強化しているが、Hail to Reason≒Gold Diggerはない。

シニスターミニスターは血統的に日本のスピード競馬に向いていると思っているが、極端に血の質が高いタイプではなく、このあたりが活躍馬をコンスタントに出すためにはポイントになってくる。

当たり前のことであるが、この点を補完しようとするならば、母側の血統で補うしかない。

というわけで、今度はキングズガードの母キングズベリーの血統に着目してみる。

彼女の最大の血統的特長は、米G1ソロリティS(6F)勝ちの牝馬Squanderの4×4だろう。

キングズベリー

キングベリーは、芝1200~1400で3勝を挙げた馬である。

実際、父がキングヘイローで母父がデインヒルであり、両馬ともスプリントG1勝ちがあることを考えれば、この配合から短距離馬が生まれるのは自然なことかもしれない。

ただ、Squanderのような短距離で実績を残した血脈をクロスの形で持っていることも、キングベリーの能力に少なからず影響を与えているように思える。

さらに、牝馬クロスはしばしば瞬発力を遺伝させる傾向にあるので、このあたりも短距離向きの芝馬という素地を作ったのかもしれない。

Squanderクロスに関しては、Xファクターの観点からも評価できる。

すなわち、Squander4×4のいずれの血脈もXライン上に位置していて、Xライン上のクロスという名馬の血統パターンにしばしば登場する配合手法が用いられている。

Xライン上のクロスという点で言えば、Squanderの父Buckpasserもキングズベリーの血統においては5×5・5でクロスしているのだが、3本ともXライン上でクロスしている点もキングベリーの血統的特長の一つだ。

特にこのSquander~BuckpasserによるXライン上クロスの流れは、キングズベリーにとって、今後キングズガード以外にも活躍馬を送り出せる可能性を感じさせるものだ。

キングズガードの牝系からは、彼以外に大物が出ていないようであるが、キングズベリーの産駒については今後も注目したい。

そのキングズベリーを母に持つキングズガードであるが、彼の世代になってからの血統的ポイントとして、2点ほど挙げておきたい。

1つはThe Prime Minister≒ダンシングブレーヴによる組み合わせである。

The Prime Minister=ダンシングブレーヴ

一見するとそれほどの関係でもないように思えるが、いずれも直父系にNorthern Dancerを持ち、母系にIllustricusやSir GaylordといったNearco/Prince Roseのニックから成る血脈が存在する点で共通している。

このように、「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックから成る血」という特徴を持つ血脈はStorm CatやAlzao、ラストタイクーンなど比較的多い。

前述したシニスターミニスター産駒3頭においては、インカンテーションの2代母の父Polish Precedent、ダブルスターの母父アサティス、そしてキングズガード内のダンシングブレーヴがこの特徴を備えた血脈に該当する。

シニスターミニスター産駒が上位クラスで活躍するには、この特徴を持つ血脈が母側に存在するほうが良いのかもしれない。

もう一つ、キングズガードの血統的ポイントとして取り上げておきたいのが、Lassie Dear≒Pound Foolishである。

Lassie Dear=Pound Foolish

いずれもBuckpasser系×Sir Gaylord系という組み合わせを持っていて、血統的親和性が高い関係にある。

Lassie Dear、Pound Foolishといずれの血脈も血の質が高く、シニスターミニスター産駒の競走能力強化という点でプラスに働くのではないだろうか。

同父のインカンテーションはダート中距離路線で活躍しているが、キングズガードのほうは母の持つ牝馬クロスなどもアクセントとなって、マイル以下のスピードレースで能力を発揮しそうな血統背景を持っている。

これだけの血統パターンであれば、重賞勝ちも近いだろう。
[ 2016年05月17日 19:07 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

ドレッドノータス(GⅢ京都2歳S)

ドレッドノータス

11月28日に開催されたGⅢ京都2歳Sは、ハービンジャー産駒のドレッドノータスがしぶとく伸びて接戦を制した。

同じ京都コースではあるが、これで芝2000で2戦2勝。

来年のクラシック路線でどこまで飛躍するか楽しみだ。

父のハービンジャーは、この世代が2世代目の産駒となる。

欧州の芝12Fで活躍した馬らしく、自身の産駒にも中長距離を得意とするタイプが多いようだ。

ディープインパクト産駒のように素軽く切れ味に富むタイプとは異なり、ハービンジャー産駒は今回のドレッドノータスのようにしぶとくしっかりと伸びてくる。

ハービンジャーの血統は、Northern Dancerの母Natalmaと、さらにその母Almahmoudという2つの牝馬クロスを持つ。

さらに、デインヒル≒Shareef DancerやBlushing Groom≒Beauneという特徴も併せ持つ。

デインヒル=Shareef Dancer

デインヒル≒Shareef Dancerに関しては、父系がNorthern Dancerが遡り、母方にはTom Foolを持つ点で共通する。

これに関連して、ハービンジャーはダンスインザダークを父に持つ牝馬と相性が良く、この組み合わせからは4頭のJRA勝ち馬が出ている。

デインヒル=ダンシングキイ

これは、デインヒル≒ダンシングキイ(ダンスインザダークの母)という相似クロスに起因するものと思われ、今後の活躍次第ではハービンジャー×ダンスインザダーク牝馬の配合が増えるかもしれない。

そして、これをサポートする血脈としてShareef Dancerが存在する形になる。

もう一方のBlushing Groom≒Beauneに関しては、相似クロスというレベルではないが、互いにNearco系×Wild Risk系という組み合わせを持つ。

Blushing Groom=Beaune

では、例えばBlushing Groomクロスを持つハービンジャー産駒が活躍しているのかと問われれば、現時点でそういう傾向は見られない。

それでも、こういう血もハービンジャーの血統のなかではアクセントになると思われ、ハービンジャー産駒の稼ぎ頭ベルーフは実際にこの2つの血脈を活かす血統パターンを持つ。

ベルーフ

上記血統表ではわかりづらいが、母方にあるDoronic(ディクタスの母)がWild Risk系×Pharos(Nearcoの父)系の組み合わせであり、Blushing Groom≒Beauneを活かす血脈と見なせる。

ちなみに、ベルーフの血統にはAlmahmoudのクロスや、Shareef Dancer≒ダイナサッシュなどもあり、個人的にはハービンジャー産駒のなかで好評価している血統パターンの一つだ。

さて、次にドレッドノータスの母ディアデラノビアの血統について考えてみる。

この牝系については、ディアデラノビアの母ポトリザリスから始めるべきだろう。

ポトリザリスは現役時、牝馬ながらも亜国でGⅠ亜ダービーとG Ⅰ亜オークスを制した女傑であり、このほかにも彼女の母Chaldeeから多くの活躍馬が出ている。

この牝系(Chadlee)に着目して、キーンランド繁殖セールで何頭か見たことがあるが、結局縁がなかった。

私から見ると、ディアデラノビアは胸が深いのが馬体的特長だと思う。

産駒のドレッドノータスや、その兄姉たちの写真を見ても、平均して胸が深い印象を受けた。

しっかりとした馬体とともに、高い心肺機能がこの牝系の良さなのかもしれない。

では血統はどうかというと、そこはアルゼンチン血統というべきか、かなりユニークな血の持ち主である。

ポトリザリス

ポトリザリスは見慣れない血脈を多く有する血統で、またアウトクロスに分類される配合だが、実際には上記血統表で色分けしたような相似クロスが窺える。

Good Manners=Magnificent

Good MannersとMagnificentは、TeddyとPlucky LiegeとMumtaz Mahal、そしてPharos(Fairway)を持つ点で共通する。

Tropical Sun=Cabala

Tropical SunとCabalaは、HyperionとCongreveを持つ点で共通する。

Advocate=Honeyway

AdvocateとHoneuwayは、互いにFairway系×Papyrus牝馬という組み合わせを持つ。

アルゼンチン血統ではあるものの、これら3つの相似クロスで使われているTeddy、Hyperion、Fairwayといった血脈は欧米馬もしくは日本馬の血統にもよく見られる血だ。

その意味では、これらの血の活かし方がポトリザリス牝系のポイントになるのではないか。

そのポトリザリスは、サンデーサイレンスとの間にディアデラノビアという優れた牝馬を産んだ。

サンデーサイレンスとの配合では、サンデー自身の血統にもアルゼンチン血統が入っているとはいえ、結果的にはアウトクロス配合になっている。

ただ、サンデーの血統は2代母Mountain FlowerがHyperion3×4を持ち、ほかにもPharos(Fairway)6*6×6があり、またTeddyとPlucky Liegeの血を引くBullDog(Sir Gallahad)も5×6*7*8*8でクロスする。

これらの血は、上記の通りポトリザリスの血統でポイントになる血脈である。

一方で、サンデーの持つMahmoudクロスは、ディアデラノビアの世代では5*6×8*8と「強化」と呼ぶには若干弱い印象。

結果として、ディアデラノビアの血統は父サンデーよりも、母ポトリザリスの血を活かした配合と考えるのが自然のような気がする。

では、ディアデラノビアの息子ドレッドノータスの血統はどうなのかというと、彼の血統は父ハービンジャーの持つAlmahmoudのラインを強化する血統パターンになっている。

ディアデラノビアあるいはポトリザリスの血統でポイントになるPharos(Fairway)、Hyperion、Mumtaz Mahalの血はハービンジャーがNorthern Dancerを4本持っていることで補っている感がある。

Northern Dancerが、これらの血を内包する血統だからだ。

総合的に考えると、血統的にはもう少し瞬発力があっても良さそうなものだが、血統以外のファクターが強く影響している可能性はあるだろう。

また、ドレッドノータスの血統では、ディアデラノビア内にNorthern Dancerの血があったほうが血統的に安定しているように思うのだが、逆にパワーに偏り過ぎてダート適性の高い馬が誕生する可能性もある。

その意味では、ポトリザリス~ディアデラノビアと続く血統にNorthern Dancerが含まれていないという事実は、ドレッドノータスが3歳クラシック路線を目指す上でプラスに働くかもしれない。

さて、今日の日高は雨模様。

珍しく日中に更新してみた。
[ 2015年12月03日 15:01 ] カテゴリ:競走馬 | TB(-) | CM(0)

カジノドライヴを考える

カジノドライヴ

今年、2歳初年度産駒をデビューさせたカジノドライヴ。

供用初年度から200頭もの繁殖牝馬と種付して、その翌年に生まれた産駒たち(生産頭数は131頭)が続々と出走するなかで、中央で8頭、地方で15頭の計23頭(11月17日現在)が勝ち上がっている。

種牡馬展示会で初めてカジノドライヴを見たときは、正直なところ脚元が難しそうな印象を受けた。

膝は以前ケガをしたようで、その痕のようだったが、立ち気味の繋はいかにもMineshaft産駒らしい。

そのため、第一印象は「産駒が活躍するにしても主戦場はダートかな」程度にしか見ていなかった。

ただ、キ甲から腰にかけてのトップラインがきれいな馬で、GⅠ勝ちが無いとはいえ、重賞勝ち馬だけのことはあると感じたことは覚えている。

これまでの種牡馬成績を見ると、そういう予想は良い意味で裏切られた印象だ。

確かに産駒のほとんどはダートでの勝ち上がりなのだが、稼ぎ頭のコウエイテンマに至ってはOPのフェニックス賞を勝つなど芝を主戦場としている。

しかも、新種牡馬ランキングでは、競走成績ではカジノドライヴより優れているヴィクトワールピサやワークフォースなどとトップ争いをしているという状況なのだ。

この好調さを受けてか、これまでずっと50万円だった種付料は、来年度には値上がりするとの噂も聞こえている。

非サンデー系種牡馬なので、今後ますます需要が増えそうな勢いだ。

さて、今日はそのカジノドライヴについて、これまで勝ち上がってきた計23頭の産駒たちの血統パターンをもとに、その傾向についてまとめてみたい。

現時点ではあまりサンプル数も多くなく、中央・地方合わせての評価なので、年数を重ねる毎にその傾向も大きく変わる可能性はある。

それでも現在ホットな種牡馬なので、現時点でその産駒たちの血統を調べることは無駄ではないはずだ。

血統的な特徴として、23頭の勝ち馬のなかから、以下のクロスを持っている産駒たちを仕分けしてみた。



①Best in Showのクロスを持つカジノドライヴ産駒

ダークディフェンダ、ドライバーズハイ、ビッグジャイアント、プレスティージオ、ラスベガスシチー (計5頭)

Best in Showという世界的にも有名な牝系に属しているカジノドライヴにとって、この牝馬の血脈を強化する配合パターンは奏功したようだ。

カジノドライヴの母であり、Best in Showの孫にあたるBetter than Honour(米GⅡ勝ち馬)は、Northern Dancer系種牡馬のDeputy Ministerの娘である。

そのためか、上記のBest in Shnowクロスを持つカジノドライヴ産駒の勝ち馬5頭は、すべてNorthern DancerとBest in Showを組み合わせるようなクロスを持つ血統パターンを有する。

特に、母方にラストタイクーンを持つ繁殖牝馬とカジノドライヴは相性が良いようだ。

この配合では、Better than Honour≒トライマイベストができるほか、ラストタイクーンの母父Mill Reefの血脈がカジノドライヴの2代父A.P.Indyが持つNearco/Prince Roseの血脈3本(Seattle Slew、Secretariat、Sir Gaylord)を活かせる。

ダートで2戦2勝のプレスティージオは、まさにこの血統パターンである。

プレスティージオ

ただ、現在の日本における血統のトレンドからすると、母父キングカメハメハとの配合のほうが多く見かけることになるだろう。

ラスベガスシチー

今月勝ち上がったラスベガスシチーがこの血統パターンを持つが、母系にCaerleonも保有することで、その母Foreseerを通じてNearco/Prince Roseの血脈を強化している。



②Nearco/Prince Roseの血脈を活かしたカジノドライヴ産駒

ヴェンジェンス、カジノスマイル、ガラムマサラ、カリビアンスタッド、クリルカレント、コウエイテンマ、サーラジャー、サンドプラチナ、シーブリーズラブ、シグラップジュリア、ストレートアップ、ダークディフェンダ、ビッグジャイアント、プレスティージオ、ミラチャン、ライムリーフ、ラスベガスシチー、リオヴァンクール (計18頭)

カジノドライヴの血統内で、Nearco/Prince Roseから構成される血脈はSeattle Slew、SecretariatそしてSir Gaylordである。

すなわち、彼の2代父A.P.Indyの血脈がポイントになっている。

基本的にNearco/Prince Roseのニックスから成る血脈は多く、この特徴を持つ血脈を保有する馬もまた多数存在する。

そのため、この血を活かすことがカジノドライヴ産駒成功の鍵と考えるのはやや無理のある話しだが、それでも日本のスピード競馬に対応するために有効な血統パターンであるとは思う。

実際、カジノドライヴ産駒のなかでも芝馬として異色の存在と言えるコウエイテンマは、このニックスを活かした血統パターンを有する。

コウエイテンマ

すなわち、カジノドライヴの持つSeattle Slew、Secretariat、Sir Gaylordを活かすべく、母方のMill Reefの血脈がポイントになっている。



③Mr.Prospectorクロスを持つカジノドライヴ産駒

カジノスマイル、ガラムサハラ、カリビアンスタッド、ダークディフェンダ、デラニュースター、ラスベガスシチー (計6頭)

Mr.Prospectorクロスを持つ馬は、現代においては特別珍しいものではないが、一般的にはカジノドライヴの属するSeattle Slew系と相性の良い血脈とされている。

実際、カジノドライヴの父Mineshaftはその組み合わせを持ち、自身は米GⅠを4勝して米年度代表馬にも選出されている。

カジノドライヴ産駒の勝ち馬のなかでも、カリビアンスタッドとデラニュースターはMr.Prospectorと相性の良いDeputy Ministerクロスも持つ。

カリビアンスタッド

ただ、この2頭は地方馬であり、この配合が中央でも通用するか現時点では不透明だ。



④Blushing GroomとNorthern Dancerクロスを持つカジノドライヴ産駒

サーラジャー、ドライヴナイト、トリノゴウショウ (計3頭)

Northern Dancerのクロスは別として、Blushing Groomのクロスを持つ馬はそれほど多くない。

カジノドライヴ産駒の勝ち馬のなかに、この血統パターンを持つ馬が複数含まれていることを考慮すると、自分が感じている以上にカジノドライヴにとってBlushing Groomという血は重要なのだろうか。

ちなみに、3頭の勝ち馬のなかで唯一の中央勝ち馬であるドライヴナイトは、母馬の血統が他馬と異なりグルームダンサー、サンセットバレーとBlushing Groom系×Northern Dancer系の配合を継続している。

ドライヴナイト

何かしらのヒントになるかもしれない。

Blushing Groomと関連してもう一つ気になるのが、カジノドライヴの勝ち馬23頭のうち、母方にWild Riskを保有する馬が9頭もいるという事実だ。

Wild RiskはBlushing Groomの母父であるが、Blushing Groomと同様にこの血のクロスを持つ馬も、それほど多くはない。

そう考えると、カジノドライヴの血統におけるWild Riskを内包したBlushing Groomという存在は、やはり気になる。



とりあえず、カジノドライヴ産駒の勝ち上がり馬23頭の血統的特徴を、クロスという観点からまとめてみた。

前述したように、まだサンプル数が多いわけではなく、今後の勝ち上がり産駒の血統パターン次第で、今回扱った内容がまったく役に立たない可能性もある。

それでも、自家牧場でもし来年カジノドライヴを配合しようとするなら、現時点での勝ち馬たちの血統パターンを大いに参考にしたいと思っている。


[ 2015年11月18日 18:17 ] カテゴリ:種牡馬 | TB(-) | CM(0)


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